今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 山田穂高 自治医科大学附属さいたま医療センター

監修: 野田光彦 国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科

著者校正/監修レビュー済:2023/12/20
参考ガイドライン:
  1. 日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS):膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年【第2版】
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年【第2版】』「内科・集学的治療 CQ9 膵・消化管NENに対して放射線治療は推奨されるか? 改訂版」を参照に、下記の点を加筆・修正した。
  1. 近年の神経内分泌腫瘍に関する核医学検査や核医学内用療法に関する進展があり、今回の改定で追加記載を行った。

概要・推奨   

  1. 日本人における第2回全国疫学調査の結果、膵神経内分泌腫瘍のうち、機能性腫瘍で最も多いのはインスリノーマである。
  1. インスリノーマの診断における絶食試験は、72時間ではなく48時間でも十分に有用性をみることができる(推奨度1)
  1. 空腹時の血糖が55 mg/dL以下の低血糖患者の場合には、まず血中インスリン値(IRI)、Cペプチド、プロインスリンを測定することが推奨される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. インスリノーマとはインスリンを過剰産生する膵臓の腫瘍である。その結果として、低血糖発作を誘発する疾患である。
  1. 膵神経内分泌腫瘍は人口10万人あたり有病患者数2.69人、人口10万人あたり1年の新規発症率1.27人である。機能性腫瘍は34.5%で、そのうちインスリノーマが20.9%を占め、最も頻度が高い(低血糖の定義が一定でなく、また低血糖で医療機関を受診する患者数が把握されていないため、低血糖に占める頻度は不明)。
  1. 男女比1:1.4で、女性にやや多い。
  1. 年齢的には8~82歳まで各年齢層に分布しており、患者平均年齢は45歳である。
  1. 90%が良性、単発性である。
  1. 多発性内分泌腫瘍(MEN)1型を0.8%で合併し、その場合は多発性が多く、悪性の頻度が高くなるため注意を要する。
  1. 発生部位は頭、体部、尾部に均等に分布し、大きさは腫瘍径2 cm未満の腫瘍が80~90%を占める。
  1. 治療は腫瘍核出術が基本となる。
  1. 古典的にはWhippleの3徴(①空腹時の中枢神経症状 ②症状出現時の血糖が50 mg/dL未満 ③ブドウ糖投与による症状消失)が有名で、約8割の患者でみられる。
  1. 50 mg/dL以下の低血糖がいまだ捉えられていない場合は絶食試験を行う。原法は72時間であるが、インスリノーマであれば48時間までに94.5%で低血糖発作が再現されるため、48時間でもよい。
  1. インスリン自律分泌の指標としてFajans index(IRI[血中インスリン値]/BS>0.3)、Turner index(IRI×100/(BS-30)>200、田港らの(100-BS)×(IRI-3)>280が用いられる。簡易的に、血糖が55 mg/dL以下のときにIRI 3 μU/mL以上、Cペプチド0.6 ng/mL以上、プロインスリン5.0 pmol/L以上でもよい。近年、IRI測定精度向上のため、プロインスリンの分泌が過剰なタイプはIRI測定時に交差しなくなり、IRIが見かけ上低値になることがあるが、その場合もCペプチドやプロインスリン値は上記基準を満たすことが多い。
 
  1. 日本人における第2回全国疫学調査の結果、膵神経内分泌腫瘍のうち、機能性腫瘍で最も多いのはインスリノーマである。
  1. 日本における第2回全国疫学調査の結果、2010年の1年間に受療した膵神経内分泌腫瘍は3,379人で、そのうち機能性腫瘍は34.5%であった。機能性腫瘍のなかではインスリノーマの占める割合が20.9%と最も高く、MEN1合併率は0.8%であった[1]
 
  1. 一般的にインスリノーマの発症年齢は幅広く、やや女性に多く、腫瘍径は小さいものが多い。
  1. 海外の報告[2]では、平均発症年齢は45歳(範囲:8~82歳)で、女性に多く(男女比1:1.4)、腫瘍径2cm未満の腫瘍が80~90%を占め、膵臓の頭部、体部、尾部に等しく分布する。
 
  1. インスリノーマの診断における絶食試験は、72時間ではなく48時間でも十分に有用性をみることができる(推奨度1、エビデンスレベルS)
  1. インスリノーマの絶食試験における低血糖発作までの時間をみたシステマティックレビューがある[3]
  1. それによると、127例のインスリノーマ患者において、絶食試験の12時間までに42.5%、24時間までに66.9%、48時間までに94.5%に低血糖発作が再現され、試験を終了できた。
  1. このことから、絶食試験において72時間は必要ではなく、48時間で行うことが推奨される。
 
  1. 空腹時の血糖が55 mg/dL以下の低血糖患者の場合には、まず血中インスリン値(IRI)、Cペプチド、プロインスリンを測定することが推奨される(推奨度1、エビデンスレベルG)
  1. インスリノーマの場合、血糖が55 mg/dL以下のときにIRI 3 μU/mL以上、Cペプチド0.6 ng/mL以上、プロインスリン5.0 pmol/L以上となることから、まずIRI、Cペプチド、プロインスリンを測定することが推奨される。なお、IRIが3 μU/mL未満の場合でも、ほかの2つを満たすことが多い。また低血糖時にグルカゴンを静脈注射すると25 mg/dL以上の血糖上昇がみられる。
問診・診察のポイント  
  1. 臨床症状としては低血糖に伴う自律神経症状と中枢神経症状が出現する。自律神経症状が先行することが多いが、自律神経障害がある場合や低血糖発作を繰り返す場合には自律神経症状の自覚症状を欠き(無自覚性低血糖)、中枢神経症状のみを呈する場合もある[4]
  1. 自律神経症状は発汗(30~69%)、倦怠感(28~56%)、食欲亢進・肥満(14~50%)、振戦(12~14%)、動悸(5~12%)などである。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
山田穂高 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:野田光彦 : 特に申告事項無し[2024年]

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