クロストリジウム・ディフィシル感染症 :トップ    
監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター
岸田直樹 感染症コンサルタント/北海道薬科大学客員教授

概要

疾患のポイント:
  1. クロストリジウム・ディフィシル感染症とは、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)による抗菌薬関連腸炎のことである。
  1. 症状は軽度の下痢症状から腸閉塞や中毒性巨大結腸、さらに死に至るような重篤な腸管壊死まで幅が広い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 下剤の使用、経腸栄養開始、化学療法開始など、ほかの下痢を来す原因を除外する。
  1. 消化器症状に加えて酵素抗体法(トキシンAとトキシンBの同時検出キット)で確定診断となる。
  1. 酵素抗体法の感度が不十分(60~70%程度)なため、疑いが高い場合は治療を検討する。
  1. クロストリジウム・ディフィシルの抗原であるグルタミン酸脱水素酵素(GDH)を検出する迅速検査を実施してもよい。感度は高いが(80~90%)トキシン産生株かは不明であり、確定診断とは至らない。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. クロストリジウム・ディフィシル感染症の重症度の定義で、コンセンサスを得られたものはない。
  1. 血算で白血球が15,000cells/μL以上、血清Crがベースの1.5倍以上、偽膜を認める場合、ICU入室例、急性腎障害、38.9℃の発熱、血清Alb<2.5mg/dL、イレウス、中毒性巨大結腸症などの場合が、重症とされる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療の基本は脱水の補正とクロストリジウム・ディフィシルに対する抗菌薬の投与(可能であれば誘引となった投与中の抗菌薬の中止、変更)である。
  1. CDトキシン検査が陰性でも、抗菌薬使用中または使用歴があり、下痢を来すほかの原因がはっきりしない場合は、治療を検討する。
  1. 軽症例では、メトロニダゾール(フラジール)、重症例では、バンコマイシン(塩酸バンコマイシン)散を考慮する。治療期間は10~14日である。
  1. 白血球数15,000以上または血清Crが正常値から1.5倍以上の…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査例
  1. 消化器症状に加えて酵素抗体法(トキシンAとトキシンBの同時検出キット)で確定診断となる。
  1. 酵素抗体法の感度が不十分(60~70%程度)なため、疑いが高い場合は治療を検討する。
  1. 腎機能、電解質の異常などに注意して経過をみる。
  1. 腸管虚血の判断は外科治療を考える上で重要。腹膜刺激症状に加えてアシドーシスの有無などにも注意する。
○ 偽膜性腸炎の診断目的で6)を検査する。特に疑う場合は7)8)も考慮する。重症度、アシドーシスの評価のため1)~5)9)を検査する。治療抵抗例では10)を考慮する。

追加情報ページへのリンク

  • クロストリジウム・ディフィシル感染症に関する詳細情報
  • クロストリジウム・ディフィシル感染症に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • クロストリジウム・ディフィシル感染症に関するエビデンス・解説 (11件)
  • クロストリジウム・ディフィシル感染症に関する画像 (1件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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クロストリジウム感染症初診のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2017/10/31


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