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クロストリジウム・ディフィシル感染症

著者: 岸田直樹 感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授

監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2018/10/26

概要・推奨  

  1. 疾患のポイント:クロストリジウム・ディフィシル感染症とは、クロストリジウム・ディフィシル(微生物分類上はClostridium difficileからClostridioides difficileへ変更となっている)による抗菌薬関連腸炎のことである。
  1. 症状は軽度の下痢症状から腸閉塞や中毒性巨大結腸、さらに死に至るような重篤な腸管壊死まで幅が広い。
  1. 海外のガイドラインやエビデンスは参考にはなるが、国内には重症株が現時点では多くはない。今後、重症のクロストリジウム感染症の広がりに注意し、広がりや費用対効果を意識した治療戦略を意識する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 下剤の使用、経腸栄養開始、化学療法開始など、ほかの下痢を来す原因を除外する。消化器症状に加えて酵素抗体法(トキシンAとトキシンBの同時検出キット)、NAAT検査(Nucleic acid amplification test:毒素遺伝子検査)で確定診断となる。
  1. 酵素抗体法の感度が不十分(60~70%程度)なため、疑いが高い場合は治療を検討する。
  1. クロストリジウム・ディフィシルの抗原であるグルタミン酸脱水素酵素(GDH)を検出する迅速検査を実施してもよい。感度は高いが(80~90%)トキシン産生株かは不明であり、確定診断とは至らない。
  1. GDH抗原検査のみが陽性の場合はNAAT検査(Nucleic acid amplification test:毒素遺伝子検査)で確定診断をしてもよいが、疑いが高い場合はNAAT検査を行わず治療開始としてもよい。
  1. NAAT検査は、偽陽性による過剰診断の問題や費用が高いことが懸念される。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. クロストリジウム・ディフィシル感染症の重症度の定義で、コンセンサスを得られたものはない。
  1. 血算で白血球が15,000cells/μL以上、かつまたは血清Crがベースの1.5倍以上を重症とすることが多いが、その他の項目として偽膜を認める場合、ICU入室…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査例
  1. 消化器症状に加えて酵素抗体法(トキシンAとトキシンBの同時検出キット)で確定診断となる。酵素抗体法の感度が不十分(60~70%程度)なため、疑いが高い場合は治療を検討する。
  1. GDH抗原検査のみが陽性の場合はNAAT検査(Nucleic acid amplification test:毒素遺伝子検査)で確定診断をしてもよいが、疑いが高い場合はNAAT検査を行わず治療開始としてもよい。
  1. 腎機能、電解質の異常などに注意して経過をみる。
  1. 腸管虚血の判断は外科治療を考える上で重要。腹膜刺激症状に加えてアシドーシスの有無などにも注意する。
○ 偽膜性腸炎の診断目的で6)を検査する。特に疑う場合は7)8)も考慮する。重症度、アシドーシスの評価のため1)~5)9)を検査する。治療抵抗例では10)を考慮する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. Clinical Practice Guidelines for Clostridium difficile Infection in Adults and Children: 2017 Update by the Infectious Diseases Society of America (IDSA) and Society for Healthcare Epidemiology of America (SHEA)
基づき治療薬の選択について改定を行った。


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