今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 中村造 東京医科大学病院 感染制御部 感染症科

監修: 上原由紀 藤田医科大学医学部感染症科

著者校正/監修レビュー済:2023/10/25
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、発熱を主訴に来院した40歳代男性の症例とアメーバ性を疑う場合の抗原検査について加筆した。
  1. 血液所見では白血球、CRPの上昇がみられ、腹部造影CTで右葉に単包性の肝膿瘍を認めた。肝膿瘍の穿刺液の一般細菌培養は陰性、虫卵検査も陰性であったが、外部研究機関で遺伝子検査を実施し、アメーバ赤痢が陽性であることが判明した。下痢はなかったが、便のアメーバ抗原検査は陽性であった。
  1. 肝膿瘍の原因微生物は、一般細菌とアメーバ赤痢の混合感染を否定できず広域抗菌薬とメトロニダゾールの併用が行われることが多いが、血液培養だけでなく膿瘍穿刺による微生物学的診断が治療選択に大きく影響する。可能な限り穿刺を含めた原因微生物同定を行いたい。
  1. また、アメーバ性を疑う場合には、穿刺液ではなく便を利用した抗原検査が、間接的な診断の参考になり得る。ただし、抗体検査は試薬が販売停止となったため、現在利用できない。

概要・推奨   

  1. 細菌性肝膿瘍では発熱が多くみられるが、非特異的な症状が不明熱と診断されていることも多い。また血液検査でもWBC上昇、肝機能障害などがみられることが多い。非特異的所見にとどまるが、治療の一助となるため、血液検査を行うことが推奨される(推奨度2)
  1. 肝膿瘍の治療において、起因菌同定は重要である。血液培養と並行して膿瘍穿刺液の細菌検査を行うことにより検出感度を上昇させることができるため、細菌学的検査を行うことは強く推奨される(推奨度2)
  1. 重症化していない(左葉でない、多発していない、細菌性と合併しない)アメーバ性肝膿瘍は内科的治療のみで治療が可能と考えられており、ドレナージはおそらく推奨されない(推奨度3)
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  1. 最も検出頻度の高いKlebsiella pnemumoniae による肝膿瘍に対して、起因菌判明後に嫌気性菌用抗菌薬を使用する必要は低い可能性がある(推奨度3)

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
中村造 : 特に申告事項無し[2023年]
監修:上原由紀 : 特に申告事項無し[2023年]

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