WPW症候群 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
副島京子 杏林大学医学部附属病院循環器内科

概要

疾患のまとめ:
  1. WPW症候群はWolff、Parkinson、White各医師の名前からつけられた症候群で、心房と心室の間に副伝導路を有するために房室結節と副伝導路を介して頻拍を生じることがある。
  1. 健診での頻度は0.06~0.12%/年で、男女差はほとんどない。
  1. なお、デルタ波を常に呈するものを顕性WPW 症候群、ときどき呈するものを間欠性WPW症候群、逆行性伝導のみを有する(心室から心房への伝導)ためデルタ波を呈さず頻脈発作の出現ではじめて副伝導路の存在が疑われるものを潜在性WPW症候群という。
  1. 頻脈発作は3種類に分かれ、①心房―房室結節―心室―副伝導路―心房の順に興奮する正方向性房室回帰性頻拍(<図表>)、②心房―副伝導路―心室―房室結節―心房の順に興奮する逆方向性房室回帰性頻拍、③心房細動――がある。
  1. 上記②と③で心室応答が速い場合(偽性心室頻拍と呼ぶ:<図表>)、致死的となることがまれにあるので注意が必要である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 典型的なWPW症候群は、標準12誘導心電図のPQ 間隔が短縮し、QRSにデルタ波があり幅広になる事を確認することで診断となる。 
  1. 標準12誘導心電図で顕性WPW症候群は診断される。他の場合はホルター心電図検査、イベントモニター心電図検査、ループレコーダー検査で診断される。
  1. 最終診断は、電気生理学的検査により副伝導路の存在を確認することによる。
  1. WPW症候群の典型的心電図(洞調律時:非発作時):<図表>
  1. WPW症候群の典型的心電図(発作時:順行性房室回帰性頻拍):<図表>
  1. WPW症候群の典型的心電図(発作時:偽性心室頻拍):<図表>
 
合併症の評価:
  1. 心エコー検査で心奇形の有無を診断する。
  1. WPW症候群は先天性心奇形と合併することがある。特にEbstein奇形の有無を確認する。
 
重症度・予後: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 標準12誘導心電図で顕性WPW症候群は診断される。
  1. ホルター心電図検査、イベントモニター心電図検査、ループレコーダー検査などでみつかることもある。
○  顕性WPW症候群を疑う場合は1)を、偶然2)にてみつかることもある。

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発作急性期の治療手順
慢性期の管理計画
WPW症候群の典型的心電図(洞調律時:非発作時)
WPW症候群の典型的心電図(発作時:順行性房室回帰性頻拍)
WPW症候群の典型的心電図(発作時:偽性心室頻拍)
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27


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