急性膵炎 :トップ    
監修: 真弓俊彦 産業医科大学 救急医学
真弓俊彦 産業医科大学 救急医学

概要

疾患のポイント:
  1. 急性膵炎とは、心窩部痛と血中膵酵素の上昇などを来す急性の膵臓の炎症である。主にアルコール常飲や総胆管結石などが原因となるが、薬剤性や自己免疫性などのまれな原因もある。
 
診断:
  1. ポイント:
  1. 下記の診断基準をもとに診断する。
  1. 診断基準:
  1. 急性膵炎の診断基準は以下のうちの2つ以上を認めることである。通常腹痛を認めるが、腹痛のない急性膵炎も約10%存在する。また、同時に、他の膵疾患および急性腹症を除外しなくてはならない。 エビデンス 
  1. 1:上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある
  1. 2:血中または尿中に膵酵素の上昇がある
  1. 3:超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある
  1. 末梢血、生化学検査:
  1. 末梢血、生化学検査(膵酵素[特にリパーゼ]、胆道系酵素を含む)を測定する。特にリパーゼの上昇を認めるときは膵炎の可能性が高くなる(感度86.5~100%、特異度84.7~99.0%)。
  1. 画像検査:
  1. ポイント:
  1. 単純X線、腹部超音波検査、腹部CT(できれば造影)を行う。特に超音波検査は、急性膵炎が疑われるすべての症例に対し、最初に行うことが推奨される。また、急性膵炎の診断そのものには CT は必ずしも必要としない場合もあるが、臨床所見や血液・尿検査、超音波検査によって急性膵炎の確定診断ができない場合や膵炎の成因が明らかでない場合には、積極的に CT を施行すべきである。
  1. 超音波所見:
  1. 膵腫大や膵周囲の炎症性変化を捉えることができる。同時に、膵炎の原因となる胆道結石、総胆管拡張を描出できる可能性もある。 エビデンス 
  1. CT 所見:
  1. 膵腫大、膵周囲~後腹膜腔(主に前腎傍腔)、結腸間膜ならびに小腸間膜の脂肪織濃度上昇、液体貯留、仮性嚢胞形成、膵実質吸収値の不均一化、膵壊死、後腹膜腔および腸間膜の脂肪壊死、血腫、外傷時の膵断裂像などがある。急性膵炎の治療方針決定、特に、造影膵不染域の判定や、合併症の診断には、造影CTは有用である。 エビデンス  …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性膵炎を疑ったときの検査
  1. 特にリパーゼの上昇を認めるときは膵炎の可能性が高くなる(感度86.5~100%、特異度84.7~99.0%)。
  1. 単純X線、腹部超音波検査、腹部CT(できれば造影)を行う。特に超音波検査は、急性膵炎が疑われるすべての症例に対し、最初に行うことが推奨される。超音波所見では、膵腫大や膵周囲の炎症性変化を捉えることができる。同時に、膵炎の原因となる胆道結石、総胆管拡張を描出できる可能性もある。 エビデンス 
  1. また、急性膵炎の診断そのものには CT は必ずしも必要としない場合もあるが、臨床所見や血液・尿検査、超音波検査によって急性膵炎の確定診断ができない場合や膵炎の成因が明らかでない場合には、積極的に CT を施行すべきである。
○ 腹痛、膵酵素(リパーゼ、アミラーゼ等)の上昇、画像での急性膵炎の所見のうち2つを認めた場合には、急性膵炎の可能性が高い。

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薬剤監修について:
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