膵嚢胞 :トップ    
監修: 下瀬川徹 東北大学大学院
真口宏介 手稲渓仁会消化器病センター

概要

疾患のポイント:
  1. 膵嚢胞とは、膵臓あるいは膵周囲に嚢胞を形成するすべての疾患の総称である。
  1. 内腔が上皮で覆われる真性嚢胞とそれを欠く偽嚢胞に大別し、それぞれ非腫瘍性と腫瘍性に分ける分類が理解しやすい。<図表><図表>
  1. 偽嚢胞の多くは急性膵炎あるいは慢性膵炎後の仮性嚢胞と考えられてきたが、急性膵炎後の膵局所合併症の概念が提唱され、晩期合併症として仮性嚢胞と被包化壊死(walled-off necrosis:WON)に分類されるようになった。
  1. 腫瘍性膵嚢胞には、漿液性嚢胞腫瘍(serous cystic neoplasm、SCN)、粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm、MCN)があり、これに膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary-mucinous neoplasm、IPMN)を加えて、計3種類となる。
  1. 最近では、膵管分枝が拡張する貯留嚢胞やIPMNが増加している。
  1. WONは壊死性膵炎後の病態であり、高率に感染を伴い腹痛、背部痛、発熱を呈する。仮性嚢胞では腹痛、背部痛、発熱などを呈する例がある。ほかの膵嚢胞では症状を有する例は少ないが、まれに急性膵炎を併発する場合がある(腫瘍性嚢胞による膵管の圧排狭窄、IPMNの粘液による膵管閉塞など)。
 
診断: >詳細情報 (膵嚢胞の鑑別診断のアルゴリズムアルゴリズム
  1. 嚢胞内容は液体であり、USでは無エコー、CTでは低濃度域、MRIのT2、MRCPでは高信号として描出される。<図表>
  1. 膵内に限局するか膵内から膵外に広がるか、あるいは膵外が主体かを判断する(仮性嚢胞は膵外にみられることが多い(<図表>))。
  1. 全周性に被膜が存在するか、内部に充実成分が存在するかを判断する(腫瘍性膵嚢胞の特徴)。
  1. 膵管との交通を有するかを判断する(貯留嚢胞、IPMNの特徴)。
  1. SCNは小さな嚢胞の集簇が特徴である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

膵嚢胞の鑑別診断
  1. 膵嚢胞の鑑別診断を行う(真性嚢胞か偽嚢胞か、さらに腫瘍性か非腫瘍性か)。 エビデンス 

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薬剤監修について:
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(詳細はこちらを参照)

膵嚢胞の鑑別診断のアルゴリズム
膵臓の嚢胞性病変
膵嚢胞の分類
仮性嚢胞
SCNの形態分類
内分泌腫瘍の嚢胞変性
膵癌による貯留嚢胞形成
貯留嚢胞
著者校正/監修レビュー済
2016/06/30


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