今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 礒部威 島根大学医学部内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学

監修: 高橋和久 順天堂大学大学院

著者校正済:2025/04/09
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本肺癌学会:肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2024年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『肺癌診療ガイドライン 2024年度版』の発行に伴いレビューを行い、オリゴメタスタシスについて追記を行った。

概要・推奨   

  1. 癌の診断、治療は急速に進歩し、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の開発、承認が行われている。転移性肺腫瘍についても、的確な診断と適正な治療が求められる(推奨度1)
  1. 転移性肺癌を疑う場合胸部X線写真を、最初に行うよう勧められる。しかし、検出率は不十分であるためCT等の評価の追加も検討する(推奨度1)
  1. 胸部CTは、転移性肺癌検出を目的として、あるいは胸部X線写真で異常がある場合に行うよう勧められる(推奨度1)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約
閲覧にはご契

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
(参考文献:[1]
  1. 肺は、他臓器に原発した腫瘍が転移する頻度が高い。
  1. 原発腫瘍としては、絨毛癌、骨肉腫、精巣腫瘍、悪性黒色腫、腎臓癌が高率であるが、消化器癌、乳癌、胃癌、頭頚部癌でも一定の頻度で肺転移を認める。また、肺に原発した癌が肺内に転移する頻度も高い。
  1. 転移の様式は、①血行性転移、②リンパ行性転移、③経気道性(経気管支性)転移、④臓側胸膜を経由する転移――に大別される。
  1. 血行性転移:頭頚部や腹部の癌では、肺動脈経由の転移が一般的な経路である。
  1. リンパ行性転移:肺門部や縦隔リンパ節に転移を認める。癌性リンパ管症は、肺門部リンパ管が閉塞状態となってリンパ流が逆流し、気管支周囲ないしは胸膜下のリンパ管を逆行して生ずる。
  1. 経気道性(経気管支性)転移は浸潤性粘液腺癌で認められることが多い。
  1. 特殊な転移形式として気管支壁転移(endobronchial metastasis)と呼ばれるものがあり、血痰や気道閉塞を生じるため気道インターベンションを必要とすることが多い。
  1. 臓側胸膜を経由する転移では胸腔を介して播種性に転移し、胸水が貯留し癌性胸膜炎を生じることが多い。
  1. Oligometastasis(以下オリゴメタ)は乳癌において提唱された概念であり、転移性乳癌で、転移個数が少なく、すべての病変において局所治療が可能な患者と定義された。非小細胞肺癌においては、転移個数が3~5個以内とする基準が多い。非小細胞肺癌のオリゴメタの症例であるとされ、これらの症例は初回化学療法後に増悪する部位が既存病変に多い傾向があり、既存病変への局所治療を追加する根拠の1つとなっている[2]
問診・診察のポイント  
  1. 肺に単発または多発する結節性陰影を認めた場合は、患者もしくは家族に悪性疾患の詳細な罹患歴を確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
礒部威 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:高橋和久 : 講演料(アストラゼネカ(株),中外製薬(株)),研究費・助成金など(小野薬品工業(株),中外製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(杏林製薬(株))[2025年]

ページ上部に戻る

転移性肺腫瘍

戻る