今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 乾直輝1) 浜松医科大学 臨床薬理学

著者: 須田隆文2) 浜松医科大学 第二内科

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2024/03/06
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、「サルコイドーシス診療の手引き2023」を参照し下記の追記を行った。
  1. 肺サルコイドーシスの経口ステロイド初期投与量として、従来より少量の投与量を含めたプレドニゾロン 20~30 mg/日での投与開始を標準治療と設定した。
  1. 肺サルコイドーシスの治療薬として、抗線維化薬ニンテダニブを追加した。
 

概要・推奨   

  1. サルコイドーシスの診断は除外診断である(推奨度1)
  1. サルコイドーシスの病変はしばしば自然に軽快する(推奨度1)
  1. 両側肺門リンパ節腫脹(BHL)はステロイド治療の適応とならない(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. サルコイドーシスは、種々の臓器に壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫ができる原因不明の全身性疾患である[1]
  1. わが国における有病率は人口10万人当たり1~2人程度で、欧米より低い。
  1. サルコイドーシスは、胸部画像の異常や呼吸器症状で発見されるほかに、霧視・羞明・飛蚊症・視力低下などの眼症状で発見されることが最も多く、次いで皮疹がある。まれに全身倦怠感や発熱などの全身症状で発見される。
  1. 診断時年齢は男女ともに若年のピークが減り全体に高齢化しており,50~60歳代にピークがある。
  1. 健康診断の胸部画像の異常で発見される場合は、両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy:BHL)によるものが大半で、その多くは無症状である。
  1. 肺サルコイドーシスを含むサルコイドーシスは、指定難病であり、重症度3以上などの場合は申請し認定されると医療費の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年1月施行
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
  1. サルコイドーシス(眼科)
  1. 心サルコイドーシス
 
  1. サルコイドーシスは免疫系の変調によって起こる疾患と考えられる(推奨度3)
  1. サルコイドーシスの発症には外因と体質の両因子の関与が想定され、後者の本態は細胞性免疫の異常と考えられる。
関節リウマチなどでTNFα阻害薬を投与したところ、サルコイド様の肉芽腫病変が発症し、投与中止後に肉芽腫が消退したとする報告がある。この場合の肉芽腫病変の発生はTNFα阻害薬に対する生体の一種の反跳現象によるものと思われる[2]
病歴・診察のポイント  
  1. 両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy:BHL)を呈する症例ではサルコイドーシスを疑う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
乾直輝 : 研究費・助成金など(日本ベーリンガーインゲルハイム(株),アストラゼネカ(株)),奨学(奨励)寄付など(中外製薬(株))[2024年]
須田隆文 : 未申告[2024年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2024年]

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肺サルコイドーシス

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