真性多血症(PV) :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
桐戸敬太 山梨大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科

概要

疾患のまとめ:
  1. 真性多血症(PV)とは、造血幹細胞レベルの異常によって生ずる 骨髄増殖性腫瘍 の1つである。有効造血の亢進によりすべての血球の増加を認めるが、中でも赤血球の増加が顕著である。90%以上の症例にJAK2遺伝子変異(V617F変異)を認める(<図表>)。血栓症の合併を予防することが最も重要である。
  1. 問診・診察では、①まず反応性多血症との鑑別、②他の骨髄増殖性腫瘍との鑑別、③血栓症のリスクとなる他の要因――についての評価を行う。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 真性多血症の診断基準は、2016年に改訂されたWHO分類に基づく。
  1. 大基準として、1) 赤血球増加の存在、2) 骨髄所見、3) JAK2V617F変異もしくはJAK2 exon12変異の存在、小基準として、1) 血清エリスロポエチン濃度が正常下限以下 ――と定められている。大基準1)+2)+3) を満たす場合および、大基準1)+2)、および小基準をみたす場合に真性多血症と診断する。
  1. 赤血球増加の定義は、WHO 2008年分類までは男性でHb>18.5g/dl、女性でHb>16.5g/dl であったが、2016年分類では男性でHb>16.5g/dl、女性でHb>16.0g/dl に引き下げられている。また、男性でヘマトクリット>49%、女性でヘマトクリット>48%、または循環赤血球量の増加を示す場合も大基準の1) を満たす。
  1. 骨髄病理所見が必須となった。病理所見の特徴としては、年齢相当よりも骨髄細胞密度の増加を認めること、3系統の細胞増殖、特に赤芽球系細胞の著明な増加を認めること、多様な形態を示す成熟した巨核球が増加していること――が挙げられている。
  1. 真性多血症の鑑別アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 真性多血症の治療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 真性多血症症例の骨髄生検像(HE染色):<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断・リスク評価のための検査例
  1. 反応性赤血球増加症、他の骨髄増殖性腫瘍などとの鑑別、および将来の血栓症のリスクについて評価する。 エビデンス 
  1. 真性多血症の診断は、2016年に発表されたWHO診断基準に基づく。大基準として、赤血球増加の存在と、JAK2V617F変異(<図表>)、もしくはそれと機能的に相同な遺伝子変異の同定がある。アルゴリズム
〇 赤血球増加症の鑑別のために下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

真性多血症の鑑別アルゴリズム
真性多血症の治療アルゴリズム
JAK2V617F変異解析結果(ダイレクトシーケンス法)
JAK2V617F allele burdenの概念図
真性多血症症例の骨髄生検像(HE染色)
真性多血症症例の巨核球形態
真性多血症症例の手背
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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