本態性血小板血症

著者: 桐戸敬太 山梨大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2019/07/09
参考ガイドライン:
  1. 日本血液学会造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版

概要・推奨  

  1. 本態性血小板血症における血栓症のリスクとしては、年齢(60歳以上)および血栓・出血の既往の存在の2つが確立されている。(推奨度1)
  1. 上記に加えて糖尿病、高血圧症および脂質異常症などの心血管リスク因子やJAK2V617F変異の有無を取り入れた新たなリスク分類が提唱されている(推奨度3)
  1. 現在のガイドラインでは、低リスク群の本態性血小板血症症例であってもアスピリンの使用が推奨されているが、全例に用いるべきかについては、最近、議論がある(推奨度3)
  1. 血栓症の高リスク群(60歳以上もしくは血栓症・出血の既往を有する)では、細胞減少治療併用が推奨されている(推奨度1)。
  1. 細胞減少治療薬の第1選択は、ハイドロキシウレアもしくはアナグレリドである(推奨度1)
  1. わが国では、本態性血小板血症に対する細胞減少療法剤として、ラニムスチン保険適用となっているが、その有用性を評価した論文は1980年代のものが中心であり、多くは血小板数の減少効果を評価項目としている。このため、血栓予防効果などの長期的な効果については不明である(推奨度3)
  1. 細胞減少治療により、血小板数をどこまで低下させるべきなのかについての目標値は、現時点では明確にはなっていない(推奨度3)
  1. 4059歳で、血栓・出血の既往なく著明な血小板増加(150/μL以上)も伴わない場合には、アスピリンにハイドロキシウレアを併用することは推奨されない(推奨度1)
  1. 60歳以上の高リスクの本態性血小板血症において、ハイドロキシウレアなどの細胞減少治療に加えてアスピリンを用いることにより、血栓のリスクは低下する。ただし、出血の合併率も増加する(推奨度2)
  1. 本態性血小板血症と骨髄線維症の初期(pre-fibrotic phase)とでは、臨床像が似ていることが指摘されている。しかし、予後は大きく異なるため、この両者を鑑別することは重要である(推奨度3)
  1. <…
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 診断基準(WHO2017年分類)、ガイドライン(造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版)に基づき改訂を行った。
  1. 高リスクET症例における細胞減少治療の第1選択薬として、ハイドロキシウレアとアナグレリド併記した


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