本態性血小板血症 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
桐戸敬太 山梨大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科

概要

疾患のポイント:
  1. 本態性血小板血症(ET)は、多能性幹細胞に由来するクローナルな疾患で、骨髄増殖性腫瘍(MPN)に分類され、JAK2変異をはじめ遺伝子変異がその要因と考えられている。
  1. 特異的な症状には乏しいが、ときに、四肢(下肢に多い)の先端部に発赤とともに灼熱感が生じることがあり肢端紅痛症として知られている。このほかにも一過性の視力障害、頭痛、めまい、構音障害などのいわゆる微小血管症状を伴うこともある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断にあたっては、反応性の血小板増加症を除外するとともに、同じく骨髄増殖性腫瘍に分類される慢性骨髄性白血病や原発性骨髄線維症との鑑別が重要である。 エビデンス 
  1. ETの診断は、WHO2008年分類の診断基準に基づいて行われる。この診断基準においては、4つの大項目が定められており、ETと診断するためには、このすべてを満たす必要がある。
  1. 1:血小板増加の存在。45万/μl以上と定められている。
  1. 2:骨髄病理所見。大型で成熟した巨核球の増加を認めることとされる。
  1. 3:他のMPNを否定する。特に真性赤血球増加症(PV)、原発性骨髄線維症(PMF)および慢性好中球性白血病(CML)を除外する必要がある。
  1. 4:クローナルなマーカーの確認をする。JAK2V617F変異<図表>やMPL exon10変異、JAK2V617F変異、MPLexon10変異およびCALR変異などの遺伝子変異あるいは染色体異常の存在を確認することが求められる。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. ETにおいては、血栓症および出血のリスクの評価が行われ、治療方針の決定に活用される。年齢が60歳以上あるいは血栓症・出血の既往の存在の2つが血栓症・出血のリスク因子として確立されており、いずれかを有する場合には高リスク群とされる。 エビデンス 
  1. 生命予後は健常者と比較しても相違はない。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査オーダー例
  1. 反応性血小板増加症、他の骨髄増殖性腫瘍などとの鑑別、および将来の血栓症のリスクについて評価する。
  1. 本態性血小板血症の診断は、2008年に発表されたWHO第4版分類の診断基準に基づく。JAK2V617F変異(<図表>)、もしくはそれと機能的に相同な遺伝子変異の同定があるかにいての検索と骨髄病理像の解析が重要である。
○ 本症の確定診断を行う場合、ほかの血小板増加を示す疾患の鑑別を行うため、下記の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

本態性血小板血症の治療アルゴリズム
血小板増加の鑑別診断のためのアルゴリズム
JAK2V617F変異解析結果(ダイレクトシーケンス法)
牡鹿の角様(stag-horn like)な核を示す巨核球(左)と過分葉核を有する巨核球
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22


詳細ナビ