再生不良性貧血 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
中尾眞二 金沢大学医薬保健学域医学系細胞移植学

概要

疾患のポイント:
  1. 再生不良性貧血とは、末梢血でのすべての血球の減少(汎血球減少症)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)を特徴とする症候群である。
  1. 30歳未満の患者では先天性再生不良性貧血の可能性があるので、家族歴を確認し、低身長、身体奇形、皮膚の色素沈着などの有無を調べるとともに、骨髄不全に関連する遺伝子異常を可能な限り検索する。
  1. 再生不良性貧血は、指定難病であり、重症度基準Stage2以上の場合は、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 再生不良性貧血は、末梢血でのすべての血球の減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)を特徴とする1つの症候群である。ヘモグロビン濃度:10.0g/dL未満、②好中球:1,500/μL未満、③血小板:10万/μL未満の3項目のうち、少なくとも2つを満たす。なお、2血球系統のみの減少が血小板減少を含む場合、血球減少の程度が再生不良性貧血の診断基準を満たさない場合でも、「前再生不良性貧血状態」を疑う必要がある。前再生不良性貧血状態を見逃した結果、重症化してから再生不良性貧血と診断され、治療に難渋することがしばしばある。
  1. 再生不良性貧血は、ほかの疾患の除外によってなされる除外診断であり、同様の所見を呈する骨髄異形成症候群や発作性夜間ヘモグロビン尿症などを除外することによって初めて診断することができる。
  1. 再生不良性貧血の診断基準(平成22年度改訂):<図表>
  1. 前再生不良性貧血状態を含む再生不良性貧血の診断基準:<図表>  エビデンス 
  1. 初診時の末梢血顆粒球には、全体の約40%に PIG-ABCOR/BCORL1DNMT3AASXL1などの遺伝子変異が検出される。PIG-ABCOR/BCORL1変異は、免疫抑制療法の反応率が高く、予後良好と相関する。DNMT3A、…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

確定診断のための検査オーダー例
  1. ヘモグロビン<10.0g/dL、好中球<1,500/μL、血小板<10万/μLのうち、血小板減少を含む2つがあり、貧血に見合った網状赤血球の増加や未成熟血小板割合の増加がなく、骨髄が低形成で芽球の増加や明らかな異形成がなければ、再生不良性貧血が疑われる。 エビデンス 
  1. 再生不良性貧血の診断基準(平成22年度改訂):<図表>
  1. 再生不良性貧血は、ほかの疾患の除外によってなされる除外診断であるため、正確に診断を下すのは容易ではない。
  1. 骨髄穿刺や骨髄生検が正形成であっても、巨核球が減少している場合には、ほかの部位が低形成の可能性がある。このため、可能な限り胸腰椎のMRIを行い、細胞密度を評価する。
  1. 感染症の徴候がないにもかかわらず 脾腫 がある場合は、 有毛細胞白血病 や 脾機能亢進症 などの再生不良性貧血以外の疾患を疑う。
〇 鑑別診断を行う場合は、下記の1)~19)の検査を行い、診断を確定するために20)~22)の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

再生不良性貧血のstage1および2(軽症~中等症)に対する治療指針
再生不良性貧血のstage3~5(やや重症~最重症)に対する治療指針
再生不良性貧血診断のアルゴリズム
再生不良性貧血の診断基準(平成22年度改訂)
再生不良性貧血の重症度基準(平成16年度修正)
重症再生不良性貧血患者の骨髄生検所見
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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