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血球貪食症候群

著者: 新井文子 東京医科歯科大学 血液内科

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2018/12/19

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 血球貪食症候群(hemophagocytic lymphohistiocytosis、HLHもしくはhemophagocytic syndrome、HPS)とは、発熱などの強い炎症症状に加え、いわゆる網内系組織(骨髄、リンパ節、肝臓、脾臓など)において活性化したマクロファージなどの組織球が血液細胞を貪食し、著明な血球減少を生じる重篤な疾患である。
  1. 赤血球の貪食像(骨髄):<図表>
  1. 好中球の貪食像(骨髄):<図表>
  1. 血小板の貪食像(骨髄):<図表>
  1. 原発性HLHの中で、家族性HLHは、PRF1、UNC13D、STX11、STXBP2の遺伝子変異を持ち、常染色体劣勢遺伝を示すものと定義される。その他に、SH2D1AP、XIAPの異常をもつX連鎖リンパ増殖症候群など、HLHを来しうる先天性疾患は複数あり、原発性HLHに分類される。2007年に発表された、石井らによる本邦HLHの全国調査による、それぞれの頻度を「血球貪食症候群の基礎疾患」の表(<図表>)に示し、内訳を以下に述べる[1]
  1. 家族性HLHは、多くは1歳未満での発症で、15歳以上では認められなかった。家族性HLHの頻度は全体の4%と、その頻度は低かった。二次性HLHの中で、全年齢を通じて最も多かったのはEBウイルス関連疾患で、全体の29%を占めた。次いでEBウイルス以外の感染症、リンパ腫と続いた。合併頻度の高いリンパ腫の組織型は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫鼻型、末梢性T細胞リンパ腫であった。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 持続性の発熱に加え、肝脾腫大による腹部症状の急速な進行、さらに紫斑、点状出血などの皮下出血や、鼻粘膜、口腔粘膜、肛門などからの粘膜出血などをみた場合、本症候群を疑う。HLHの診断には、以下の診断基準が用いられる。
  1. 診断基準:
  1. 原発性に認められる特徴的な遺伝子異常を有する。もしくは①発熱、②脾腫、③2系統以上の血球減少(Hb<9.0g/dL、血小板<10万/μL、好中球<1,000/μL)、④高トリグリセリド(≧265mg/dL)かつ、もしくは低フィブリノーゲン血症(<150mg/dL)、⑤骨髄・リンパ節・脾臓にみられる特徴的な血球貪食細胞、⑥NK細胞活性の低下もしくは消失、⑦高フェリチン血症(≧500μg/L)、⑧可溶性IL-2受容体上昇(≧2,400U/mL)――のうち5項目を満たす。(HLH-2004による血球貪食症候群の診断基準[…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

HPS診断のための検査例
  1. HPS診断基準において必要な検査を行う。
○ 診断のために下記の1)-6)の検査を行う。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン2016
に基づき、改訂を行った。

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