特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 冨山佳昭 大阪大学医学部附属病院 輸血部

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2019/10/30
参考ガイドライン:
  1. 成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド 2019 改訂版

概要・推奨  

  1. ITP症例に対するヘリコバクター・ピロリ菌の除菌は、日本での有効率は高いが、欧米では低い傾向がある(推奨度1)。
  1. ITPに対する副腎皮質ステロイド療法は約80%で有効である(推奨度1)。
  1. 副腎皮質ステロイドは減量により多くの症例で血小板数が低下し、中止できる症例は10-25%である。しかしながら、維持量としてはプレドニゾロン10mg/日以下とする(推奨度1)。
  1. 副腎皮質ホルモン療法では75%に副作用を認めるため、合併症対策が必要である。主な合併症は、糖尿病・肥満・消化性潰瘍である(推奨度1)。
  1. 副腎皮質ステロイド治療が無効あるいは合併症で投与が困難な場合は、早期にセカンドライン治療に移行する(推奨度1)。
  1. セカンドライン治療としては、TPO受容体作動薬、リツキシマブ、脾臓摘出術が推奨される(推奨度1)。
  1. TPO 受容体作動薬は、およそ80%に有効であることおよび副作用は軽微であることが報告されている(推奨度1)。
  1. TPO受容体作動薬としては、経口薬のエルトロンボパグと皮下注製剤のロミプロスチムがある。
  1. トロンボポイエチン受容体作動薬を使用後、中止しても寛解を維持できる患者群が存在する(3-20%)。
  1. リツキシマブは50-60%の有効率であり、2017年3月より本邦でも保険適用となった(推奨度1)。
  1. 脾摘は66%で効果を示すが、経過とともに再燃する例が増加する(推奨度1)。
  1. 脾摘の術式は、開腹術より腹腔鏡下での脾摘が推奨される(推奨度1)。
  1. 海外では、脾摘の前にワクチン接種(Streptococcus pneumoniaeHaemophilus influenzae type b、meningococcus)が推奨されている(推奨度2)。
  1. 脾摘では静脈血栓症並びに敗血症の危険性があることに留意する。
  1. セカンドライン治療法の選択は、患者の状態や生活スタイルに合わせて個別に判断する(推奨度2)。
  1. 妊娠時の対応については海外からガイドラインが示されているが、妊娠週数と血小板数により対応法が異なる(推奨度2)。
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド 2019 改訂版が発表された。
  1. セカンドライン治療として、トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬、リツキシマブ、脾臓摘出術を推奨した。
  1. セカンドライン治療の選択は、患者の状態や生活スタイルに合わせて個別に判断することを示した。


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