アスリート心臓(スポーツ心臓) :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
林同文 日本郵船株式会社 NYKグループ健康管理センター

概要

ポイント:
  1. アスリート心臓(スポーツ心臓)とは、持久系アスリートが継続的なトレーニングを行うことで、心臓に可逆性の構造的、機能的変化を来す状態である。
  1. 「スポーツ心臓」は、現状では、病的なものではなく、強度の運動による生理的な適応現象と考えられている。
  1. 自覚症状の有無にかかわらず、スポーツ選手の心臓を診察する際には、スポーツ歴の問診だけでなく、こうした心疾患との鑑別のため、検査を行うことが重要である。
  1. 健康増進、健康維持のための運動は大変好ましいが、自分の身体能力や隠れた疾患の有無をチェックしないで過度な運動を行うことは本末転倒といえる。

スポーツ心臓と重篤な心臓疾患との鑑別: >詳細情報 
  1. スポーツ心臓は、原則、治療する必要性はないが、数年前にサッカー選手が試合中に突然死を起こした例のように、心臓突然死を起こし得る不整脈や心筋症(特に、肥大型心筋症)などの重篤な心臓疾患との鑑別が重要である。
  1. 健診などのスクリーニングで得られた検査異常に対し、「スポーツ心臓」という診断を安易に行うべきではない。
  1. 精密検査を行い、重篤な疾患を見落とさず、しっかりと鑑別することが大切である。
  1. 特に持久性スポーツ、動的トレーニングを長期間継続しているトップアスリートを中心に、心電図検査、胸部X線検査を行い、心拍数40~50/分未満であり心胸郭比50%を超える方には、スポーツ心臓である可能性が高いが、基礎疾患がないことを確認するうえで、心エコー検査、Holter心電図、運動負荷心電図などの検査を追加する。
  1. アスリートの心電図異常:安静時心電図: >詳細情報 
  1. アスリートの心電図異常:Holter心電図: >詳細情報 
  1. アスリートの心電図異常:運動負荷心電図: >詳細情報 
  1. 安静時に胸部誘導のST-T変化といった肥大型心筋症の心電図に類似の変化を認める場合が多いが、運動負荷によりこれらの変化が正常化することが特徴的である。
  1. スポーツ心臓:胸部X線検査: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査
  1. スポーツ心臓は、原則、治療する必要性はないが、数年前にサッカー選手が試合中に突然死を起こした例のように、心臓突然死を起こし得る不整脈や心筋症 (特に、肥大型心筋症<図表>) などの重篤な心臓疾患との鑑別が重要である。
  1. 自覚症状の有無にかかわらず、スポーツ選手の心臓を診察する際には、スポーツ歴の問診だけでなく、いくつかの検査を行うことが重要である。
  1. 健診などのスクリーニングで得られた検査異常に対し、「スポーツ心臓」という診断を安易に行うべきではない。精密検査を行い、重篤な疾患を見落とさず、しっかりと鑑別することが大切である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

スポーツ心臓症候群と心筋症とを鑑別する特徴 
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27