褐色細胞腫

著者: 方波見卓行 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ

著者校正/監修レビュー済:2018/11/06

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 褐色細胞腫とは、副腎髄質または副腎外傍神経節のクロム親和性細胞に由来するカテコラミン産生性神経内分泌腫瘍である。約1割が悪性褐色細胞腫であり、また、禁忌となる薬剤、検査があるため注意を要する。 エビデンス 
  1. 一定の要件を満たす高血圧患者、副腎偶発腫例( 無症候性副腎腫瘤 )、蒼白発作の訴えのある例、褐色細胞腫の関連疾患(多発性内分泌腺腫症2型、Von Hippel-Lindau病、神経線維腫症1型)に関する家族歴・既往歴のある例などでは褐色細胞腫の評価を行うことが推奨される[1]
  1. 褐色細胞腫疫学調査結果:発生部位と悪性、腫瘍局在、多発の割合、臨床像:<図表>
  1. 正式には副腎に発生した場合を褐色細胞腫、副腎外に発生した場合をパラガングリオーマと呼ぶが、本稿では名称を可能な限り褐色細胞腫で統一した。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 血中・尿中カテコラミンまたはその代謝産物の増加と画像検査(CT、MRI、MIBGシンチグラフィ)での腫瘍の存在によって診断する。
  1. わが国での褐色細胞腫の診断基準:<図表>
  1. 褐色細胞腫の診療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 生化学的診断(カテコラミンの過剰の確認):
  1. 以下の場合、褐色細胞腫を強く疑う。なお尿中・血中カテコラミンまたはその代謝産物の検査は、尿中メタネフリン(MN)とノルメタネフリン(NMN)の評価が望ましい。尿中総MNまたはNMN が500μg/gCrが目安となる。(その他の値の基準値に関しては 
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

カテコラミン過剰の生化学的証明のための検査評価例
  1. 特に尿中メタネフリン、ノルメタネフリンが推奨される。 エビデンス 
○ 診断確定には6)を、併発の可能性がある諸疾患の精査には1)~5)を用いる。

 
関連論文:
img  1:  Pheochromocytoma and paraganglioma: an endocrine society clinical practice guideline.
 
  J Clin Endocrinol Metab. 2014 Jun;99(6):1915-42. doi: 1・・・
img  2:  Update on Adrenal Tumours in 2017 World Health Organization (WHO) of Endocrine Tumours.
 
  Endocr Pathol. 2017 Sep;28(3):213-227. doi: 10.1007/s12・・・
img  3:  Pathological grading for predicting metastasis in phaeochromocytoma and paraganglioma.
 
  Endocr Relat Cancer. 2014 Jun;21(3):405-14. doi: 10.153・・・
img  4:  Treatment for Malignant Pheochromocytomas and Paragangliomas: 5 Years of Progress.
 
  Curr Oncol Rep. 2017 Oct 28;19(12):83. doi: 10.1007/s11・・・
img  5:  Clinical course and prognostic factors in patients with malignant pheochromocytoma and paraganglioma: A single institution experience.
 
  J Surg Oncol. 2015 Dec;112(8):815-21. doi: 10.1002/jso.・・・
img  6:  Efficacy and safety of metyrosine in pheochromocytoma/paraganglioma: a multi-center trial in Japan.
 
  Endocr J. 2018 Mar 28;65(3):359-371. doi: 10.1507/endoc・・・
img  7:  European Society of Endocrinology Clinical Practice Guideline for long-term follow-up of patients operated on for a phaeochromocytoma or a paraganglioma.
 
  Eur J Endocrinol. 2016 May;174(5):G1-G10. doi: 10.1530/・・・
img  8:  日本内分泌学会:褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 日本内分泌学会:褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018
  1. 欧州内分泌学会:褐色細胞腫・パラガングリオーマ術後長期フォローアップに関するガイドライン
に基づき改訂を行った。


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