1型糖尿病 :トップ    
監修: 野田光彦 埼玉医科大学
島田 朗 埼玉医科大学 内分泌糖尿病内科

概要

疾患のポイント:
  1. 1型糖尿病の大部分は、膵β細胞を標的とする自己免疫(T細胞機能の異常)により、膵β細胞が破壊されて発症する糖尿病である。その破壊の速さにより、劇症、急性発症、緩徐進行、――の3つの亜型に分類される。
  1. 劇症1型糖尿病の診断:糖尿病症状出現後、1週間前後以内で糖尿病ケトアシドーシスを発症するもHbA1cはほぼ正常であり、内因性インスリン分泌能としてのC-ペプチドが著しく低下していることからなされる。
  1. 急性発症1型糖尿病の診断:糖尿病症状出現後、約3カ月以内で糖尿病ケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥り、糖尿病の診断早期より継続してインスリンが必要であり、膵島関連自己抗体(GAD抗体、IA-2抗体、インスリン自己抗体、ZnT8抗体)が陽性であることからなされる。膵島関連自己抗体陰性であるが内因性インスリンが欠乏(空腹時血清Cペプチド<0.6ng/ml)している場合も「急性発症1型糖尿病」と診断してよい。
  1. 緩徐進行1型糖尿病の診断:GAD抗体もしくは膵島細胞抗体(ICA)が陽性であり、糖尿病の発症時(もしくは診断時)、糖尿病ケトーシスもしくはケトアシドーシスはなく、ただちにはインスリンが必要とならないことからなされる。

診断: >詳細情報 
  1. 1型糖尿病を疑った場合は、尿ケトン体、GAD抗体、(血糖とともに)C-ペプチドの測定を行う。GAD抗体が陰性でも1型糖尿病が疑われる場合は、IA-2抗体を測定する。
  1. 診断は、臨床経過と発症時の内因性インスリン分泌能や自己抗体の有無を参考にして総合的に行う。
  1. 尿ケトン体、GAD抗体、IA-2抗体がすべて陰性で、かつ、(血糖に応じた)C-ペプチドが保たれている場合は、通常2型糖尿病として扱う。
 
治療: >詳細情報 
  1. 急性代謝失調の状態の場合は、インスリンの持続静脈内投与と十分な補液、電解質補正を行う。
  1. 急性代謝失調の回復後やそれ以外の場合は、インスリン頻回注射が基本となる。
  1. 投与量の調整:(エキスパートオピニオン)
  1. インスリン治療を開始する際は、インスリン頻回(1日3~4回)注射を導入すると血糖コントロールの微調整がしやすい。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

1型糖尿病を診断するための検査
  1. 基本は、血糖、HbA1c、グリコアルブミン、尿ケトン体(血中ケトン体)、C-ペプチド、GAD抗体である。
  1. 急性代謝失調時でケトン体が陽性の場合は、動脈血液ガス(pH、HCO3-)を加える。
○ 1型糖尿病を診断する目的で、1)~6)を検査する。4)の検査にてケトン体陽性の際には7)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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著者校正/監修レビュー済
2018/03/15


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