今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 平山陽示 西新宿サテライトクリニック内科部長/東京医科大学名誉教授

監修: 大滝純司 東京医科大学 医学教育学分野 総合診療科

著者校正済:2024/11/13
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本摂食障害学会:摂食障害治療ガイドライン 第1版
  1. Academy for Eating Disorders(AED):AAEDレポート2016 第3版〈日本語版〉
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、DSM-5からDSM-5-TRへの改訂に伴い、「むちゃ食い障害」を「むちゃ食い症」に修正した。
  1. 神経性過食症とむちゃ食い症の診断基準をDSM-5-TRの表現に修正した。

概要・推奨   

  1. すべての摂食障害は、生命を脅かす身体的および心理的な合併症を伴う、深刻な障害である。
  1. ダイエットの履歴が摂食障害の発症の最も重要な予測因子であった。
  1. 摂食障害に対する認知行動療法(CBT)の有効であるため、成人の神経性過食症に関して、スタンダードなCBTが最も推奨されている(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 単に食べ過ぎることが多いというだけでは疾患とは考えられないが、肥満があればメタボリック・シンドロームのスクリーニングが必要となる。
  1. 食欲亢進に伴う過食では食欲中枢の異常を来す脳腫瘍、器質的疾患として糖尿病、甲状腺機能亢進症、インスリン産生腫瘍、月経前症候群、ステロイド内服や抗うつ薬内服時などが鑑別疾患となる。
  1. 病的な過食は摂食障害の1つで、神経性過食症、神経性やせ症、むちゃ食い症などに認められる[1]
  1. 1960年代は神経性やせ症が主であったが、1980年代以降、神経性過食症が多くなり、最近ではそのいずれにも属さない摂食障害が増加している。
  1. わが国の1998年の年間有病率は神経性過食症が6,500人(人口10万対5.1)、神経性やせ症が12,500人、むちゃ食い症を含む特定不能の摂食障害が4,200人[2]
  1. 神経性やせ症は10~19歳、神経性過食症は20~29歳の年齢層に多く、いずれも90%以上が女性[1]
  1. わが国における摂食障害患者の死亡率は7%ときわめて高い[1]
  1. 神経性過食症は短時間に大量の食物を強制的に摂取しては、その後嘔吐や下剤を乱用、翌日の摂食制限、不食などにより体重増加を防ぐため、体重は正常範囲内で変動する。
  1. DSM-IVから神経性やせ症の診断に「過食症状が神経性食思不振症のエピソード中に生じていない」という項目が追加され、神経性過食症と明確に区別されるようになった。
  1. DSM-5では、むちゃ食い障害が正式に摂食障害の1病型として追加された。
 
  1. 神経性やせ症の予後は決してよくはないことが知られているが、神経性過食症については、診断基準そのものが1980年作成のDSM-IIIと1987年作成のDSM-III-R以降では大きく異なっていたり、DSM-IVで神経性やせ症と明確に区別されたりしたことから、その予後に関するデータが乏しい。しかし、2009年の米国からの報告では、神経性過食症の全死亡率は3.9%であり、なかでも自殺による死亡率は神経性やせ症よりも高い(O)。(参考文献:[3]
  1. 合計1,855人の摂食患者(神経性やせ症177人、神経性過食症906人、特定不能の摂食障害802人)の8~25年間追跡したコホート研究によれば、粗死亡率はそれぞれ4.0%、3.9%、5.2%であった。そのうち、自殺による死亡率は神経性やせ症1/177人、神経性過食症8/906人、特定不能の摂食障害5/802人であり、神経性やせ症では全死亡率に比して自殺による死亡率が有意に高くはなかったが、神経性過食症と特定不能の摂食障害においては自殺による死亡率が全死亡率よりも有意に高かった。
  1. 結論:神経性過食症と特定不能の摂食障害患者は、神経性やせ症よりも自殺による死亡が多い。
 
  1. 若い1型糖尿病女性における摂食障害発症の頻度は高く、約1割といわれている(O)。(参考文献:[1]
  1. 若い1型糖尿病女性における摂食障害発症の頻度は一般女性以上に高く、約1割といわれている。その要因として、
  1. 糖尿病治療による体重増加
  1. 糖尿病管理のための食事制限
  1. insulin missionという簡単に確実に体重をコントロールできる方法の存在
  1. 糖尿病という病気を持つことによる抑うつ、劣等感などの心理的要因
  1. 年少で1型糖尿病を発症することによる心理的成長の妨げ
が挙げられている。
  1. 九州大学病院心療内科に紹介受診された1994(平成6)年以後の摂食障害を併発した1型糖尿病患者165人の内訳は、神経性過食症が68%と最も多く、神経性やせ症は7%のみであり、過食型の摂食障害が多いのが特徴である。
 
問診・診察のポイント  
 
  1. 過食の患者のうち、精神科との連携が重要な摂食障害を見逃さないようにすることと、重篤な合併症を診断することが重要である[1]
  1. 摂食障害患者は自分の症状を隠したり、否定したりすることがよくあるので、患者本人のみの面接と家族同席の面接の両者を行うことが重要である[1]
 
DSM-5-TRにおける「神経性過食症」と「むちゃ食い症」の診断基準[4]
  1. 神経性過食症(Bulimia Nervosa):
  1. 反復するむちゃ食いエピソード。むちゃ食いエピソードは以下の両方によって特徴づけられる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
平山陽示 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:大滝純司 : 特に申告事項無し[2025年]

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