多発血管炎性肉芽腫症(旧名Wegener肉芽腫症):(膠原病科)

著者: 金子駿太 国立国際医療研究センター 膠原病科

監修: 金子礼志 国立国際医療研究センター 膠原病科

著者校正/監修レビュー済:2018/09/20

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with Polyangiitis、GPA)とは、全身の血管炎と鼻と肺の肉芽腫、および壊死性半月体糸球体腎炎を示す疾患である。以前はWegener肉芽腫症と呼ばれていたが、2011年に国際的に改称された。
  1. 症状としては、発熱、体重減少などの全身症状とともに、①頭頚部の症状:膿性鼻漏、鼻出血、鞍鼻、中耳炎、視力低下、咽喉頭潰瘍など、②肺症状:血痰、呼吸困難など、③急速進行性腎炎、④その他:紫斑、多発関節痛、多発神経炎など――が生じる疾患である。通常、①→②→③の順序で起こることが多い。
  1. ①②③のすべての症状が揃っているときを全身型、いずれか2つの症状のみのときを限局型という。
  1. またGPAを含めた顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis、MPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis、EGPA)の診断基準に合致しないような、ANCA陽性を伴う難治性中耳炎が近年相次いで報告され、2012年の日本耳鼻科学会総会・学術講演会にて、ANCA関連血管炎性中耳炎(otitid media with ANCA associated vasculitis、OMAAV)という疾患概念が提唱された。
  1. GPAは、厚生労働省の難病に指定されており、2012年度は1,942人が登録されている。重症度分類3度以上を認める場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される([平成27年1月施行])。
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 頭頚部や肺の肉芽腫性病変を認め、抗好中球細胞質抗体(ANCA)が陽性ならば臨床的には診断可能である。
  1. 診断には、1998年の厚生労働省の診断基準や1990年の米国リウマチ学会分類基準を含んだWattsらの原発性全身性血管炎分類アルゴリズムを参考にする。1998年の厚生労働省の診断基…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

GPAを疑ったときに行う評価例
  1. ANCA関連血管炎であるので、ANCA上昇の有無と、炎症反応、頭頚部、肺、腎病変の評価を行う。
○ 発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状に、頭頚部の疼痛や、胸部X線異常などを認める場合、他のルーチン検査に1)~7)を追加する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. ANCA関連血管炎診療ガイドライン2017
  1. ANCA関連血管炎性中耳炎(OMAAV)の診療の手引き2016年版
に基づき改訂を行った。


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