全身性エリテマトーデス腎障害 :トップ    
監修: 上阪等 医療法人社団 桐和会
久保かなえ 東京大学医学部附属病院 アレルギー・リウマチ内科

概要

疾患のポイント:
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎障害の原因として鑑別すべき病態は多彩であるが、ループス腎炎はSLEの生命予後に影響を与える重要な臓器障害としてSLEの約半数にみられ、臨床的には尿所見異常や腎機能障害としてあらわれる。
  1.  全身性エリテマトーデス については別項目を参照にする。
  1. SLEは難病の患者に対する医療等に関する法律に規定する指定難病であり、治療費の自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成している。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. SLE患者で尿蛋白≧0.5g/日(または0.5g/gCr)、尿中赤血球または白血球≧5/hpf(尿路感染を除外する)、細胞性円柱を認めた場合にはループス腎炎を考慮する。
  1. 禁忌がない限り腎生検で診断し、ループス腎炎の組織型の分類を行う。 エビデンス 
  1. ループス腎炎は、糸球体に免疫グロブリン(特にIgG)、補体(特にC3、C1q)の沈着を認める免疫複合体型腎炎である。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. ループス腎炎において治療前の血清クレアチニン高値、補体低値、貧血、ネフローゼ症候群は腎予後悪化のリスク因子と推測される。また、腎生検による組織所見は予後の推測に有用であり、ISN/RPS分類による組織型、活動性病変や慢性病変の程度、尿細管間質病変、血管病変は腎予後と関連があると考えられる。
  1. ISN/RPS 2003分類:(詳細:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

SLEの患者において腎障害を評価するための検査例
  1. SLEに伴う血清学的所見の評価に加え、腎障害の有無を評価するための尿検査と、腎機能を評価する血液検査を行う。ループス腎炎以外の腎障害の原因疾患についても鑑別が行えるようにする。
○ SLE腎症を疑う場合は、SLEの評価目的で3)~12)を、腎障害の評価目的で1)~3)13)~15)を行う。

追加情報ページへのリンク

  • 全身性エリテマトーデス腎障害に関する詳細情報
  • 全身性エリテマトーデス腎障害に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 全身性エリテマトーデス腎障害に関するエビデンス・解説 (11件)
  • 全身性エリテマトーデス腎障害に関する画像 (17件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

ループス腎炎の診断
ループス腎炎の組織型による治療戦略
妊娠中のループス腎炎III, IV, V型の治療
ループス腎炎のInternational Society of Nephrology/Renal Pathology Society(ISN/RPS)による2003年分類
ISN/RPS 2003分類における病変の定義
ISN/RPS 2003分類における活動性病変と慢性病変の定義
全節性管内増殖性病変
分節性管内増殖性病変
ヒアリン血栓とワイヤーループ
管外増殖性病変と全節性の基底膜のスパイク形成
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント
ガイドラインに基づき確認を行った(特に新たな知見なし)。


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