肥大型心筋症 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
朝倉正紀1) 北風政史2) 1)兵庫医科大学 循環器内科 2)国立循環器病研究センター 心臓血管内...

概要

疾患のポイント:
  1. 肥大型心筋症とは、高血圧などの明らかな原因がなく、心室壁の肥大を来す心筋疾患である。多くの場合左室壁の肥大が起こり、肥大した心筋の部位により血行動態や症状が変わる。
  1. 肥大型心筋症患者は、無症候性で、心電図異常などで発見されることが多い。
  1. 肥大型心筋症患者の症状は、①息切れ、②胸痛、③動悸・脈の乱れ、④ふらつき・失神などさまざまである。
  1. 肥大型心筋症患者では、約半数が家族歴を有することが知られており、家族歴を聴取する。
  1. 肥大型心筋症患者は突然死のリスクが存在し、①失神・ふらつきの既往、および②突然死の家族歴の有無を把握することが重要である。
  1. 肥大型心筋症患者は、突然死と心不全のリスクを考慮して加療を進める。
  1. 肥大型心筋症は、指定難病であり、中等症以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
突然死の危険因子:
  1. 肥大型心筋症では、失神・心停止の既往、心室細動、持続性心室頻拍、著明な左室肥大、家族歴(1親等以内に突然死の症例)、血圧反応異常(運動による血圧増加が20mmHg以上ない)の有無が突然死に強く関係する。 エビデンス 
  1. 肥大型心筋症による突然死の家族歴を有する患者
  1. 心停止や失神の既往を有する患者
  1. 心室細動や持続性心室頻拍の既往がある患者
  1. 心臓超音波検査で、著明な心肥大(最大左室壁厚≧30mm)や左室流出路圧較差≧50mmHgを認める患者
  1. ホルター心電図での非持続性心室頻拍(120bpm以上)
  1. 血圧反応異常(運動による血圧増加が20mmHg以下)を認める患者
 
診断: >詳細情報 
  1. 症状、家族歴、心電図異常などで肥大型心筋症が疑われた場合には、心臓超音波検査を行い、肥大型心筋症の診断を行う。
  1. 心臓MRIは、表現型(肥大部位、肥大の程度など)の評価に…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

肥大型心筋症の診断のための検査例
  1. 肥大型心筋症が疑われる患者には、以下の検査を行い、心電図異常や心肥大の有無をチェックする。 エビデンス  エビデンス 
  1. 各ステップごとの診断フローチャート:アルゴリズム
  1. 心室壁肥厚がある場合には、心臓内の閉塞の有無の評価が大事である。
  1. 心臓超音波検査で、著明な心肥大(最大左室壁厚≧30mm)、左室流出路圧較差≧50mmHgなどは突然死のリスクが高くなる所見である。 エビデンス 
  1. 閉塞所見やSAM(僧房弁の収縮期前方運動)の有無により予後・治療方針が大きく異なる。
○ 肥大型心筋症を疑った場合は、下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

各ステップごとの診断フローチャート
肥大型心筋症の治療フローチャート
中隔枝塞栓術前後の左室と大動脈の同時圧
肥大型心筋症の超音波所見
深部T波反転を生じ得る種々の要因
中隔心筋切除術と経皮的心室中隔アルコールアブレーションの比較
肥大型心筋症の剖検例と病理所見
肥大型心筋症の心電図所見
著者校正/監修レビュー済
2017/09/29


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