尿管異所開口、尿管瘤 :トップ    
監修: 中川昌之 鹿児島大学
野口満 佐賀大学医学部泌尿器科講座

概要

疾患のポイント:
  1. 尿管異所開口および尿管瘤とは、尿管の膀胱流入部、開口部の先天的異常である、多くが重複腎盂尿管を伴う。
 
診断: >詳細情報 
  1. 尿路感染、尿失禁、下腹部腫瘤などが症状としてみられることが多く、上気道炎症状などがない発熱で受診する乳幼児では、尿路感染を念頭に置き検尿のオーダーは重要である。また、超音波エコーで腎、膀胱部をチェックすることで容易に診断がつくことも多い。
 
治療: >詳細情報 
  1. 外科的治療:
  1. 尿路のanomalyであることから根本的には手術療法が行われる。腎機能が保たれていれば膀胱尿管接合部のアプローチが行われ、腎機能が廃絶していれば腎摘および腎折半術が選択される。
  1. 尿管瘤においては、経尿道的尿管瘤開窓術が治療の第1選択となる。
  1. 尿路感染のコントロール:
  1. 細菌性尿路感染症であり抗菌薬による加療が行われる。有熱性の場合、尿培養・薬剤感受性検査を行った後に抗菌薬加療を開始する。抗菌薬はペニシリン系および第2、3世代のセフェム系で開始する。その後、必要に応じて薬剤感受性検査の結果から抗菌薬を選択し薬剤変更を行う。
  1. 器質的原因が未解決の状態では尿路感染の再発は必発で、抗菌薬の予防投与を行いながら外科的治療のタイミングを待つ。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 診断が疑われた場合は、小児腎専門医あるいは小児泌尿器科医へコンサルトし、診断が確定した場合は外科的治療が行われるので小児泌尿器科医に紹介する。
 
臨床のポイント:
  1. 尿管異所開口および尿管瘤は、先天性の膀胱尿管接合部異常で、多くは重複腎盂尿管を伴う。しばしば膀胱尿管逆流症を伴うため、生後より繰り返す尿路感染症では、本疾患も鑑別する必要がある。
  1. 診断には膀胱鏡や排尿時膀胱造影、排泄性腎盂造影が必要であるので、本疾患が疑われる場合は泌尿器科専門医に紹介する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時、診断のための評価例
  1. 膀胱尿管接合部のanomalyであることから、尿路感染を呈していることが多い。しかしながら、尿路外尿管異所開口では膀胱尿は正常であることがほとんどである。多くが、所属腎・尿管の拡張を認める。
○ 初診時には、1)~4)を評価し、尿路感染の有無や水腎・水尿管の有無を確認する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

尿管異所開口・尿管瘤によるUTIの治療アルゴリズム
尿管異所開口・尿管瘤の外科的治療アルゴリズム
完全重複尿管での尿管瘤
尿管異所開口の部位
尿管瘤の分類
会陰部に異所開口した尿管
超音波エコーで捉えた膀胱内尿管瘤
膀胱鏡による異所性尿管瘤の観察
排泄性腎盂造影(DIP)での尿管瘤
尿管瘤と拡張した上部尿路(MRI)
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


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