今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 河内明宏1) 滋賀医科大学 泌尿器科学講座

著者: 上仁数義2) 滋賀医科大学 泌尿器科学講座

著者: 内藤泰行3) 京都府立医科大学 泌尿器科

監修: 菊地栄次 聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学

著者校正/監修レビュー済:2022/02/28
参考ガイドライン:
  1. 日本夜尿症学会:夜尿症診療ガイドライン2021
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 夜尿症診療ガイドライン2021の発刊に伴い、改訂を行った。
  1. 非単一症候性夜尿症の診断、治療法を追記した。
  1. 診療アルゴリズムを更新した。
  1. 排尿記録の例を掲載した。
  1. 鑑別疾患表を更新した。

概要・推奨   

  1. 患者・家族が悩んでいる場合には、積極的に治療を行うことを推奨する(推奨度1C)
  1. すべての患者・家族に対して、生活指導を行うことを推奨する(推奨度1C)
  1. デスモプレシンを第1選択の治療の一つとして推奨する(推奨度1A)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 5歳以上で1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続くものと定義される。
  1. 月1回以上の夜尿がみられる頻度は5~9歳では約11%、10~14歳では約4%程度と報告されている。
  1. 夜尿の自然消失は毎年15%程度と報告されている。
  1. 夜尿症で病院を受診した患児の3%が成人まで夜尿を持ち越すという報告もあり、また成人の夜尿症は0.5%に認められるとも報告されている。特に毎晩夜尿を認める重症例が持ち越す可能性が高いと報告されている。
  1. 遺伝も発症に大きくかかわっており、両親のどちらかが夜尿症の既往があれば、既往のない場合に比べて5~7倍夜尿症になりやすく、両親ともに既往があれば11倍なりやすい、という報告もある。
  1. 夜尿症で受診する患者のなかには、夜尿のみの場合と、昼間に尿失禁、頻尿などの症状を伴う場合とがあり、夜尿症全体の約15~40%が昼間の下部尿路症状を伴う。特に昼間の尿失禁を伴う場合には、尿失禁が改善しても夜尿だけが遷延することも多く、全体的に難治であることが多い。
  1. 他の疾患の一症状として夜尿を訴えるものもいる。
 
夜尿をきたす可能性のある疾患と併存症

出典

日本夜尿症学会編:夜尿症診療ガイドライン2021. 診断と治療社, 2021:7 表4
問診・診察のポイント  
  1. まず病歴を聴取する。その際には家族歴、既往歴、過去の治療歴、一次性か二次性か、昼間の症状、夜尿の頻度、尿意で覚醒するかなどを聴取する。夜尿日誌が夜尿の頻度などを把握するために役に立つ。

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常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
河内明宏 : 特に申告事項無し[2024年]
上仁数義 : 未申告[2024年]
内藤泰行 : 未申告[2024年]
監修:菊地栄次 : 講演料(MSD(株),アステラス製薬(株),日本化薬(株),ヤンセンファーマ(株),ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),メルクバイオファーマ(株)),研究費・助成金など(MSD(株),アストラゼネカ(株))[2024年]

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