今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 谷口久哲 関西医科大学附属病院腎泌尿器外科学講座

監修: 松田公志 関西医科大学附属病院 病院長

著者校正/監修レビュー済:2024/07/24
参考ガイドライン:
  1. 日本生殖医学会生殖医療ガイドライン
  1. 日本泌尿器科学会:男性不妊症診療ガイドライン 2024年版
  1. 日本生殖医学会生殖医療の必須知識2023
  1. WHO Laboratory Manual for the Examination and Processing of Human Semen, sixth edition. 2021
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2022年4月から男性不妊診療の保険適用が開始された。
  1. 無精子症に対する精巣内精子採取術(TESE)、TESE施行前のY染色体微小欠失検査、勃起障害に対するPDE5阻害剤、低ゴナドトロピン/テストステロンの乏精子症患者に対するクロミフェン酸塩、逆行性射精に対するアモキサピンの投与が保険収載された。
  1. 2024年に『男性不妊症診療ガイドライン』が発刊され、男性不妊症に対する診療指針が示された。

概要・推奨   

  1. 特発性精子形成障害に対して、精子濃度や運動率を改善することが強いエビデンスとして証明された治療法はない。
  1. 精巣機能障害による非閉塞性無精子症でも、精巣内では部分的に精子が作られている場合の多いことが知られてきた。いわゆるmicro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)で、非閉塞性無精子症の30~40%で精子を採取することができる(推奨度1)
  1. 閉塞性無精子症に対しては、閉塞部位によって精管精管吻合術や精巣上体精管吻合術、あるいは射精管開放術などの精路再建術が行われ、40%以上の高い確率で自然妊娠が成立する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 1排卵周期に妊娠する確率は15%、1年後に挙児を得られないのは15%になる。挙児を希望するカップルの、およそ8組に1組が不妊とされる。不妊症カップルで男性側に何らかの原因があるのは約半数で、そのうち半数は女性側にも異常が指摘される[1]
  1. 男性不妊症の原因には、精子形成障害、通過障害などの精路の異常、勃起射精障害などの性機能障害がある。多数を占める精子形成障害は、原因不明のことが多い。各種検査で異常を認めないが妊娠を得られないカップルも少なくない。
  1. 男性不妊症の診療では、女性側の年齢、妊孕力を考慮して検査、治療を選択しなければならない。
  1. 不妊症診療においては、カップルの人生観が診療に大きな影響を与える。検査や治療の選択は、十分なインフォームドコンセント(IC)に基づいた、カップルの自己決定による。
 
  1. Y染色体長腕上にAZFと呼ばれる精子形成に関わる遺伝子群が存在することが明らかになっており、この微小欠失によって精子形成障害が生じる[2]。AZFa、AZFbの欠失では、micro-TESEでも精子を発見することはできない(推奨度3O)
  1. Y染色体長腕には、精子形成に関わる遺伝子群が存在し、それらはAZFa、AZFb、AZFcの3領域に分けられている。
  1. 同じ遺伝子が核酸配列を逆にして複数個繰り返すパリンドロームと呼ばれる複雑な構造をなしており、欠失はいくつかのタイプに分けることができる。
  1. AZFa、AZFb領域が欠失している場合は精巣内でも精子形成が認められないことが明らかになっており、micro-TESEの適応の診断に有用である。
  1. 精巣内精子採取術の適応の判断を目的として実施した場合、Y染色体微小欠失検査は保険適用である。
 
  1. 男性が染色体異常や遺伝子異常を持つ場合、子供に同じような異常が生じる可能性がある。実際には、精巣内で精子が認められ、妊娠、挙児が得られた場合の子供の異常の頻度は高くないが、治療前に遺伝カウンセリングが必要である(推奨度2O)
  1. Klinefelter症候群で精巣内に精子が認められた場合、精子の遺伝子構成は正常(23,Xまたは23,Y)が大多数を占め、24XXなどの異常は数%程度と報告されている[3]
  1. 生まれた子供についても、性染色体異常のないことが多い。
  1. 常染色体転座では、精子の染色体構成は転座の種類や切断点によって異なるが、常染色体のトリソミーやモノソミーは生存できないことが多く、出生した子供での異常頻度は高くない。
  1. Y染色体の遺伝子の微小欠失は、男児が生まれれば伝播する。
 
  1. 射精障害に対する薬剤としては、2022年に第2世代の三環系抗うつ薬であるアモキサピンが保険適用となったが、その後製造中止となった。実臨床においては第1世代の三環系抗うつ薬であるイミプラミンが使用されている。逆行性射精に対しては有効率が高いが、全く精液が出ないanejaculationへの有効性は低い[4]。射精障害(射精困難)はときに治療に難渋することがあり、挙児のためには人工授精などの補助生殖技術が必要なこともある(推奨度2O)
  1. 射精障害には、後腹膜リンパ節郭清術、脊損、糖尿病などによる逆行性射精、精液が全く出ないanejaculationのほかに、強い刺激がないと射精できない腟内射精障害がある。
  1. 治療には、前立腺精嚢の経直腸的マッサージ、射精後尿採取などによる精子回収のほかに、三環系抗うつ薬などの交感神経刺激作用のある薬剤が奏功する可能性がある[5]
  1. 2022年4月、アモキサピンの使用が逆行性射精に対して診療報酬審査で認められたが、その後、製造中止となった。実臨床においてはイミプラミンが使用されることが多い。
  1. 腟内射精障害には、心因性のほか異常なマスターベーションなどの習慣が射精障害の原因となっている場合もある。
  1. 早漏に対しては、SSRIが有効であるが、わが国では保険適用ではない。
 
  1. 勃起障害に対する治療は原因によって異なるが、不妊症で多い心因性のものにはカウンセリングや勃起補助薬(ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬)が有用である[6](推奨度2O)
  1. 本邦における男性不妊の原因で、性機能障害が占める割合は13.5%であり[7]、膣内射精障害が多い[8]
  1. 勃起障害の原因検索には、夜間睡眠時勃起現象の有無の確認、陰茎内プロスタグランジンE投与による勃起発現の有無による血管性勃起障害の診断などが行われる。
  1. PDE5阻害剤は、勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である。(2022年4月~保険適用)
 
  1. 処方例:
  1. 器質的疾患が除外できる勃起障害に対しては、下記の1)2)のいずれかを処方する。亜硝酸薬との併用は絶対禁忌である。
  1. 1) シアリス錠10 mg、20 mg 1錠 分1 性交1時間前 [勃起不全]
  1. 2) バイアグラ錠25 mg、50 mg 1錠 分1 性交1時間前 [勃起不全]
 
問診・診察のポイント  
  1. 挙児を希望して1年以上妊娠が得られない場合、不妊症として検査を行う[9]
  1. 男性への問診は、以下のポイントを押さえる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
谷口久哲 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:松田公志 : 特に申告事項無し[2024年]

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