乳腺炎・産褥性の乳腺疾患 :トップ    
監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門
関根 憲 関根ウィメンズクリニック

概要

疾患のポイント:
  1. 産褥期、授乳期に認められる乳腺トラブルの多くは乳腺炎であり、褥婦の約2~33%の頻度とされる。
  1. 乳腺炎の発生率推定値:<図表>
  1. 乳腺炎の発症時期は、産褥2~3週から産褥12週以内が最も多いが、授乳中であればいつでも感染・発症する可能性がある。
  1. 産褥性の乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎、化膿性乳腺炎、および乳腺膿瘍に分類され、乳腺膿瘍まで進展するのは、乳腺炎の4~11%とされている。
  1. 乳腺炎の治療アルゴリズム
 
うっ滞性乳腺炎:
  1. ポイント:
  1. 生理的な乳汁うっ滞から炎症を併発する疾患である。
  1. 診断:
  1. 産褥早期(1~2週間)に多く、自発痛・圧痛を伴う乳房の腫脹と乳汁うっ滞に伴う硬結が認められる。 エビデンス 
  1. 治療:
  1. まずは、アイスノンなどで冷やし、乳房のマッサージ、授乳と搾乳を行い乳汁のうっ滞を除去する。
 
化膿性乳腺炎:
  1. ポイント:
  1. 細菌感染を伴う乳腺炎である。
  1. 診断:
  1. 産褥2~3週以降に多く、乳房の疼痛、腫脹、硬結、発赤などの局所症状と悪寒を伴う38℃以上の発熱や全身倦怠感などの全身症状を伴い、末梢血白血球数の増加・CRPの上昇といった炎症所見が認められる。
  1. 治療:
  1. 保冷材などで冷やして授乳、搾乳し、さらに消炎鎮痛薬剤およびセフェム系あるいはペニシリン系抗菌薬の経口投与を行う。 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査オーダー
  1. 腫瘤に関しては、視触診、マンモグラフィ、超音波検査を行い、必要なら、穿刺吸引細胞診や針生検を行い、良悪性の鑑別診断をする。
○ 化膿性乳腺炎の場合、1)の検査を行う。乳腺膿瘍の場合、スクリーニングとして4)を、確定診断として1)に加え2)3)の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

乳腺炎の治療
乳腺炎の発生率推定値
乳腺膿瘍の発生率推定値
乳腺膿瘍
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30