丹毒 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
北薗英隆 Springfield Regional Medical Center

概要

疾患のポイント:
  1. 丹毒は上皮表層に限局した蜂窩織炎の特殊な形態である。ほとんどはA群溶連菌によって起こる。下肢が多く、次いで顔面が好発部位である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 丹毒の診断で最も重要なのは視診である。境界明瞭な赤みの強い非化膿性の発赤病変で、境界面より病変側の表面が健常皮膚面より1~2mm盛り上がってみえる。病変は痛み、圧痛を伴う。下肢と顔面が好発部位である。軽症例では検査を提出する必要性はほとんどない。 エビデンス 
  1. 皮疹の境界が明瞭でない場合は、鑑別疾患である 蜂窩織炎 を考慮する。また、ショックを伴う場合や重症感がある場合は、壊死性筋膜炎を除外しなければならない( 壊死性筋膜炎 参照)。
  1. 丹毒の皮疹:<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. ショックや呼吸不全の有無、病変の急激な進行が重症度と関連する。
  1. 通常の10日間の抗菌薬治療の場合、治療失敗は10~20%ほどでみられる。
 
治療: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. A群溶連菌が起因菌のほとんどであるため、それをカバーするアモキシシリン(パセトシン)、セファレキシン(ケフレックス)などが勧められる。軽症なら外来での経口抗菌薬治療、中等~重症例には入院での静注抗菌薬治療が勧められる。 エビデンス 
  1. わが国ではマクロライド耐性のStreptococcus pyogenesが多く報告されているため、マクロライドの使用は避ける。 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

軽症の初期治療例
  1. 軽症なら外来での経口抗菌薬治療が可能である。
  1. 病原微生物はGroup A streptococcusが多い。それをカバーするアモキシシリン(パセトシン)、セファレキシン(ケフレックス)などが勧められる。ときにC群またはG群溶連菌、まれに黄色ブドウ球菌も起こし得る。
  1. 外来治療をする場合、アモキシシリン単剤で500mg(3~4回)/日の使用を勧める。
  1. もし蜂窩織炎と区別がつきにくい場合はセファレキシンで治療する。
  1. βラクタム薬にアレルギーがある場合はクリンダマイシン(ダラシン)を使用する。
○ 通常1)単剤または+2)にて加療する。蜂窩織炎と区別がつかない場合は1)を、βラクタム系にアレルギーがある場合は4)を用いてもよい

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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下肢の丹毒の治療アルゴリズム
軽症の丹毒の皮疹
著者校正/監修レビュー済
2018/04/02