著者: 高萩俊輔 広島大学 大学院医系科学研究科 皮膚科学
著者: 秀 道広 広島大学 大学院医系科学研究科 皮膚科学
監修: 戸倉新樹
著者校正/監修レビュー済:2020/06/19- 秀 道広ら:日本皮膚科学会ガイドライン 蕁麻疹診療ガイドライン2018. 日本皮膚科学会雑誌 128: 2503-624, 2018.
- Zuberbier T. et al. The Eaaci/Ga2Len/Edf/Wao Guideline for the Definition, Classification, Diagnosis and Management of Urticaria. Allergy 73: 1393-414, 2018.
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概要・推奨
疾患の概要:- じんま疹とは、膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴う。じんま疹に合併して、あるいは単独に、皮膚ないし粘膜の深部を中心とした限局性浮腫のことを特に血管性浮腫と呼ぶ。
- 特発性のじんま疹と刺激誘発型のじんま疹に大きく分類される。
- 特発性のじんま疹は、最も多いじんま疹の病型で、特定の誘因なく毎日規則的に皮疹の出没を繰り返す。刺激誘発型のじんま疹は、特定の刺激や条件が加わったときに皮疹が誘発される。
診断:- 発疹が膨疹という24時間以内に消退する一過性の発疹であることが診断上きわめて重要である。じんま疹の特徴は個々の皮疹の一過性にあるため、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できれば、ほぼじんま疹と診断してよい。血管性浮腫は2~3日持続することが多い。
- 特発性のじんま疹は浮腫性紅斑、環状あるいは花冠状の浮腫性紅斑の形態をとり、特に誘因なく毎日規則的に出没する。刺激誘発型のじんま疹は、原因となる刺激に曝露した後、多くは10分~1時間以内に皮疹を生じ、2時間以内に皮疹は消退する。
- 刺激誘発型以外ではほとんどの検査は不要であり臨床上の有用な情報は得られない。特に、すべてのじんま疹に網羅的にI型アレルギーの検査を行うことは推奨されない。
重症度・予後: - 毎日ないし毎日のように出現する特発性のじんま疹は、日常生活に支障を来すほどに重篤化し、著しいQOL低下をもたらすことがあるが、一般に生命予後はよい。
- 特定の刺激ないし負荷により皮疹が誘発される刺激誘発型のじんま疹では、アナフィラキシーショック(参照:アナフィラキシー)や、気道浮腫による窒息で死に至ることがあるので、注意が必要である。
- 慢性蕁麻疹の治癒率は、発症から1年後で25~80%である。また、5年後にじんま疹の症状が持続している患者は少なくとも11%以上いると考えられる。
治療: - ショック(血圧低下、呼吸困難)などがあればその対応(アドレナリン筋注、気道確保・酸素吸入、静脈ライン確保、抗ヒスタミン薬静注、ステロイド点滴)を行う(参照:アナフィ…
- じんま疹とは、膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴う。じんま疹に合併して、あるいは単独に、皮膚ないし粘膜の深部を中心とした限局性浮腫のことを特に血管性浮腫と呼ぶ。
- 特発性のじんま疹と刺激誘発型のじんま疹に大きく分類される。
- 特発性のじんま疹は、最も多いじんま疹の病型で、特定の誘因なく毎日規則的に皮疹の出没を繰り返す。刺激誘発型のじんま疹は、特定の刺激や条件が加わったときに皮疹が誘発される。
- 発疹が膨疹という24時間以内に消退する一過性の発疹であることが診断上きわめて重要である。じんま疹の特徴は個々の皮疹の一過性にあるため、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できれば、ほぼじんま疹と診断してよい。血管性浮腫は2~3日持続することが多い。
- 特発性のじんま疹は浮腫性紅斑、環状あるいは花冠状の浮腫性紅斑の形態をとり、特に誘因なく毎日規則的に出没する。刺激誘発型のじんま疹は、原因となる刺激に曝露した後、多くは10分~1時間以内に皮疹を生じ、2時間以内に皮疹は消退する。
- 刺激誘発型以外ではほとんどの検査は不要であり臨床上の有用な情報は得られない。特に、すべてのじんま疹に網羅的にI型アレルギーの検査を行うことは推奨されない。
- 毎日ないし毎日のように出現する特発性のじんま疹は、日常生活に支障を来すほどに重篤化し、著しいQOL低下をもたらすことがあるが、一般に生命予後はよい。
- 特定の刺激ないし負荷により皮疹が誘発される刺激誘発型のじんま疹では、アナフィラキシーショック(参照:アナフィラキシー)や、気道浮腫による窒息で死に至ることがあるので、注意が必要である。
- 慢性蕁麻疹の治癒率は、発症から1年後で25~80%である。また、5年後にじんま疹の症状が持続している患者は少なくとも11%以上いると考えられる。
- ショック(血圧低下、呼吸困難)などがあればその対応(アドレナリン筋注、気道確保・酸素吸入、静脈ライン確保、抗ヒスタミン薬静注、ステロイド点滴)を行う(参照:アナフィ…
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
(詳細はこちらを参照)
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
