急性大動脈解離 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
圷 宏一 川崎幸病院 川崎大動脈センター 血管内科

概要

  1. 疾患のポイント:大動脈解離とは、「血液が大動脈内膜の破綻部分から外膜方向に向かって入り込み、中膜のレベルで大動脈を長軸方向に引き裂きながら進行した結果、大動脈が2腔になった状態」を指す。
  1. 大動脈解離の発症、進行と偽腔の形成:<図表>
  1. 大動脈解離の病態:<図表>
  1. 大動脈解離を疑った場合、早急にCTを実施する。
  1. 上行大動脈に解離が及んでいるものをStanford A型、それ以外をB型と定義する。
  1. 急性開存A型解離は、一般的には手術である。
  1. 急性期における死因の第1位は、圧倒的に心タンポナーデであるので、心エコーでいち早く確認する。急性A型解離に心タンポナーデを合併していれば緊急手術の準備を急ぐ。
 
診断: >詳細情報 
  1. 血液生化学検査、エコー、にて感度、特異度の高い検査はほとんどない。
  1. 急性大動脈解離診断・治療のフローチャート:アルゴリズム
  1. Dダイマー測定が高感度(88~100%)であり、本疾患の除外には有用であるが、確定診断は造影CT検査による(感度100%、特異度98%、画像検査の感度特異度)。
  1. 急性大動脈解離の診断に関する各モダリティの診断能:<図表>
  1. 大動脈を構成する3層は内膜、中膜、外膜であり、石灰化は一般に内膜で起こることから、CTで石灰化内膜と外膜の間にスペースがあれば、そこが偽腔であり解離であることが確定できる。
  1. 大動脈解離と石灰化内膜:<図表>
  1. CTにおける診断のコ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

胸背部痛を訴える患者に対するスクリーニング検査例
急性心筋梗塞、肺塞栓症を除外しつつ、急性大動脈解離の確定診断を行う。
  1. 心電図:
  1. 虚血性心疾患に関する所見:STの上昇、低下およびT波の陰転化
  1. 肺塞栓症に関する所見:右心負荷の所見=前胸部誘導におけるT波の陰転化、あるいはSⅠ、QⅢ、TⅢなど
  1. 心エコー:
  1. 上行大動脈に偽腔が確認できるか、心嚢液の貯留がないか、大動脈弁閉鎖不全があるか、バルサルバ径が拡張しているか。
  1. 動脈血液ガス検査:
  1. 肺塞栓症に関連する所見:低酸素血症、低二酸化炭素血症
  1. 血液所見:
  1. 虚血性心疾患に関連する所見:Trop T、H-FABP
  1. 急性大動脈解離に関連する所見:Dダイマーは除外診断に有用
  1. CT検査:
  1. 大動脈解離に関連する所見:偽腔の確認、解離範囲、心タンポナーデの有無など
  1. 肺血栓塞栓症に関連する所見:肺動脈における血栓の確認、右室拡大、深部静脈における血栓の確認
  1. CT検査は最低でも単純・造影(早期相)、可能であれば造影(遅延相)も撮影する。血栓閉塞型はむしろ単純CTのほうが診断しやすく、また偽腔の血栓がゲル状になっているような場合には造影早期相では血栓閉塞型にみえても遅延相で濃染される開存型と診断されることが多い。
  1. 実際の検査は、心電図→心エコー→トロポニンTの提出、血液ガス、CT検査の順で行う。
○ ペルジピンの持続静注射を疑った時点で開始する。収縮期100~120mmHgを目標血圧とする。

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薬剤監修について:
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(詳細はこちらを参照)

急性大動脈解離診断・治療のフローチャート
大動脈解離の病態
急性大動脈解離の死因
大動脈解離と石灰化内膜
真性大動脈瘤と石灰化内膜
DeBakey分類(エントリーの部位と解離の範囲の組み合わせによる分類)
偽腔の状態による分類
造影CTで見た開存A型解離
3DCTで見た開存B型解離
Stanford分類
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31


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