解離性障害 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
吉益晴夫 埼玉医科大学総合医療センター

概要

疾患のポイント:
  1. 解離性障害とは、記憶、意識、人格の連続性に障害が生じ、記憶や意識の欠損、人格の交代などの症状を呈する疾患である。
  1. 解離とは防衛機制の1つであり、自己を守るために、極度に不快な体験を意識から切り離すものである。
  1. 解離性健忘、解離性同一性障害、他の特定される解離性障害などがあり、DSM-5ではそれに加えて離人感・現実感消失性障害が含まれる。(詳細: >詳細情報 )
  1. 従来の心因性健忘が現在は解離性健忘となり、多重人格が現在は解離性同一性障害と呼ばれている。
  1. 解離性障害の患者数は少なくない。精神科外来患者82例における解離性障害の頻度を調べた米国の報告では解離性障害を29%(24例)で認め、内訳は、解離性健忘10%、他の特定される解離性障害9%、解離性同一性障害6%、離人症性障害5%、解離性とん走0%であった。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 生活上の刺激に対して簡単に解離が出現し、生活に支障が生じるようになると解離性障害と診断される。臨床症状から操作的に診断することが行われている。
  1. アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5の診断基準は下記の通りである。
  1. 解離性健忘:
  1. 重要な自伝的情報で、通常、心的外傷的またはストレスの強い性質をもつものの想起が不可能であり、通常の物忘れでは説明ができない。
    注:解離性健忘のほとんどが、特定の1つまたは複数の出来事についての限局的または選択的健忘、または同一性および生活史についての全般性健忘である。
  1. その症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
  1. その障害は、物質(例:アルコールまたは他の乱用薬物、医薬品)、または神経疾患または他の医学的疾患(例:複雑部分発作、一過性全健忘、閉鎖性頭部外傷・外傷性脳損傷の後遺症、他の精神疾患)の生理学的作用によるものではない。
  1. その障害は、解離性同一症、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、身体症状症、または認知症または軽度認知障害によってうまく説明できない。
  1. 解離性同一性障害:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 解離性障害に保険適用の取れている向精神薬はない。急性の解離症状には、抗不安薬や睡眠薬が有効なことがある。慢性の解離症状に関して、非定型抗精神病薬が気分安定や解離の軽減に効果を示す場合がある。
○ 不安を認める場合は1)、不眠を認める場合は2)、焦燥を認める場合は3)、双極性の気分変動を認める場合は4)、うつ状態では5)を考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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著者校正/監修レビュー済
2016/12/28