胸部大動脈瘤

著者: 木村直行1) 自治医科大学さいたま医療センター 心臓血管外科

著者: 安達秀雄2) 自治医科大学

監修: 永井良三 自治医科大学

著者校正/監修レビュー済:2017/03/31

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 胸部大動脈瘤とは、胸部大動脈壁の一部が全周性または局所性に拡大(正常径の1.5倍)または突出した状態をいう。
  1. 破裂前の早期発見、早期治療が重要である。胸部X線検査後、疑わしい場合、単純・造影CT/MRIによる精査を行う。多くが破裂するまで無症状であるが、動脈硬化性瘤がほとんどなため、高齢、高血圧、高脂血症、喫煙、家族歴(マルファン症候群など)などの動脈硬化の危険因子から上記疾患を疑う。
 
分類:
  1. 形状的に、全体が拡大した紡錘状瘤、一部局所的に突出した嚢状瘤に分類され、また、形態別に、真性瘤(非解離性瘤)、仮性瘤、解離性瘤に分類され、部位別に、上行大動脈瘤(大動脈基部拡大を含む)、弓部大動脈瘤、胸部下行大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤に分類される。
  1. 胸部大動脈瘤の分類:<図表>
  1. 胸部大動脈瘤の存在部位による分類:<図表>
  1. 胸腹部大動脈瘤の分類:<図表>
  1. Ⅰ型:近位胸部下行大動脈から始まり腎動脈上で終わる
  1. Ⅱ型:近位胸部下行大動脈から始まり腎動脈下で終わる
  1. Ⅲ型:遠位胸部下行大動脈から始まる
  1. Ⅳ型:横隔膜以下の腹部大動脈に限局するが、腹部大動脈のほとんどを巻き込んでいる
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 胸部X線検査上、大動脈に一致した異常陰影として本疾患が疑われる。
  1. 弓部大動脈瘤の胸部X線写真:<図表>
  1. 単純もしくは造影CT・MRI検査で診断確定に至る。
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

スクリーニング検査
  1. 胸部X線検査は、診断のきっかけとなる重要なスクリーニング検査である。
  1. 呼吸器疾患を伴うことがあり、肺の観察も重要である。
○ 胸部大動脈瘤を疑った場合、他の検査に追加し、下記の検査を追加する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


ページ上部に戻る

疫学、診断、治療、予後、それらのエビデンス等をご覧になりたい場合には、
トライアル登録またはご契約へ
  • 循環器 の他のコンテンツを見る