中心性漿液性脈絡網膜症 :トップ    
監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科
石龍鉄樹 福島県立医科大学医学部眼科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)とは、黄斑部に漿液性網膜剥離を来す疾患で、片眼性の症例が多い。
  1. 視力障害、変視、中心比較暗点などを主訴とする。
  1. CSCは、classic CSCとchronic CSCに分類されている。一般に6カ月以上漿液性網膜剥離が続く例や再発例をchronic CSCとして扱うことが多い。
  1. Classic CSCは、網膜色素上皮障害を殆ど伴わない円形または類円形の漿液性網膜剥離を特徴とする。
  1. Chronic CSCは、遷延・再発するCSCで広い範囲で、網膜色素上皮障害がみられることがある。
  1. 原因は不明であるが、現在は何らかの脈絡膜血管障害が原因であると考えられている。
  1. 中年男性、アジア人種での発症が多く、ステロイド薬使用により発症することがわかっている。
  1. A型性格の人に多いとされている。ステロイド薬投与中や妊娠中の発症が報告されている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 片眼性の視力低下、変視、中心比較暗点が主な症状であるが、発症を自覚しない症例もある。
  1. 眼底所見では、後極部に漿液性網膜剥離がみられ、網膜色素上皮剥離を伴うことがある。前置レンズを用いた細隙灯顕微鏡で容易に観察できる。
  1. 光干渉断層計(OCT)では漿液性網膜剥離を明瞭に観察することができる。脈絡膜は、正常眼に比較し肥厚していることが多い。
  1. 診断の確定にはフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)を行い、網膜色素上皮からの蛍光漏出を確認する。急性例では1カ所または数カ所の蛍光漏出点を同定することができる。慢性例では、網膜色素上皮障害に伴うびまん性蛍光漏出のみの例や漏出を示さない例もある。漿液性網膜剥離が、後極から下方眼底に拡大し、descending tractsと呼ばれる網膜色素上皮障害がみられることがある。また漏出点が多発する症例の中には、胞状網膜剥離を呈する例がある。
 
治療: >詳細情報 
  1. Classic CSCで症状の発現から3カ月以内で、視力低下がない場合は1~3カ月無治療で経過をみる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

漿液性網膜剥離の確認のための検査例
  1. 前置レンズ・接触型レンズを用いた細隙灯顕微鏡検査やOCTを用い、網膜浮腫、網膜分離症などとの鑑別を行う。
○ 1)で病変の範囲分布を確認したうえで2)を用い漿液性網膜剥離を確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

中心性漿液性脈絡網膜症の診断・治療アルゴリズム
症例1:眼底写真・光干渉断層計(OCT)像・フルオレセイン蛍光眼底造影・インドシアニングリーン蛍光眼底造影
症例2:眼底写真・光干渉断層計(OCT)像・フルオレセイン蛍光眼底造影・インドシアニングリーン蛍光眼底造影
症例2:眼底自発蛍光写真
漿液性網膜剥離を呈する疾患の鑑別
著者校正/監修レビュー済
2017/01/20