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概要・推奨
疾患のポイント:- 市販されているNSAIDsの主な成分としては、アスピリン(アセチルサリチル酸)、アセトアミノフェン以外には、イブプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン、メフェナム酸、ケトプロフェン、ジクロフェナクなどが挙げられる。
- 本稿では、アスピリン中毒とNSAIDs中毒一般について述べる。( アセトアミノフェン中毒 は他稿を参照)
- アスピリン中毒は、下記のNSAIDs中毒の一般的な症状に加え、高体温、凝固能異常、代謝性アシドーシス、意識障害、急性肺障害を認めることがあり、より重篤化する。なお、アスピリン中毒の古典的3徴は、過換気、耳鳴、嘔吐である。
- アスピリン・アセトアミノフェン以外のNSAIDsでは、重症化することはまれである。一般的に、嘔気、嘔吐、上腹部痛、軽度の意識障害がみられる。
- NSAIDs中毒による臨床症状:<図表>
- アスピリン中毒による臨床症状:<図表>
診断: >詳細情報 - 診断には、本人、家族、救急隊員などからの正確な病歴聴取が必要である。
- 代謝性アシドーシス(アニオンギャップは増加)による過換気と耳鳴または聴力低下の組み合わせは、アスピリン中毒の存在を強く疑わせる。
- 胃内容物や尿および血中濃度(アスピリン、アセトアミノフェン)から診断がつくこともあるが、いずれも迅速性に欠ける。
重症度・予後評価: >詳細情報 - アスピリン中毒の重症度:
- ポイント:
- アスピリン中毒の重症度はアスピリン内服量、臨床症状、血中アスピリン濃度にて決定される。アスピリン中毒の特徴は、①来院時に軽症であっても救命不能なほど重篤化する可能性があること、②幽門攣縮や胃内に薬物塊を作ることにより服用後24時間以上経っても持続的に血中濃度が上昇することがあること、③尿のアルカリ化、血液浄化法が有効であること――である。
- アスピリン内服量:
- 150mg/kg以下の服用では通常急性症状は認めない。150~300mg/kgを軽症~中等症、300~500mg/kgを重症、500mg/kg以上を致死的とする。<図表>
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
■アスピリン中毒の重症度評価方法例
- アスピリンの場合、内服量で150~300mg/kgを軽症~中等症、300~500mg/kgを重症、500mg/kg以上を致死的とする。アスピリン、アセトアミノフェン以外のNSAIDsでは、成人で常用量の10倍以上、小児で常用量の5倍以上の過量内服をした場合には、4~6時間の経過観察を要する。
- アスピリン中毒を疑う患者ではアスピリンの血中濃度を評価する。急性中毒で100mg/dl以上、慢性中毒で60mg/dl以上で重症と考える。血中アスピリン濃度は、2~3時間おきにチェックし(例えば、内服6時間後と8時間後など)、血中濃度のピークを確認する。
○ アスピリン中毒を疑う患者では1)2)を評価する。
疾患のポイント:
- 市販されているNSAIDsの主な成分としては、アスピリン(アセチルサリチル酸)、アセトアミノフェン以外には、イブプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン、メフェナム酸、ケトプロフェン、ジクロフェナクなどが挙げられる。
- 本稿では、アスピリン中毒とNSAIDs中毒一般について述べる。( アセトアミノフェン中毒 は他稿を参照)
- アスピリン中毒は、下記のNSAIDs中毒の一般的な症状に加え、高体温、凝固能異常、代謝性アシドーシス、意識障害、急性肺障害を認めることがあり、より重篤化する。なお、アスピリン中毒の古典的3徴は、過換気、耳鳴、嘔吐である。
- アスピリン・アセトアミノフェン以外のNSAIDsでは、重症化することはまれである。一般的に、嘔気、嘔吐、上腹部痛、軽度の意識障害がみられる。
- NSAIDs中毒による臨床症状:<図表>
- アスピリン中毒による臨床症状:<図表>
診断: >詳細情報
- 診断には、本人、家族、救急隊員などからの正確な病歴聴取が必要である。
- 代謝性アシドーシス(アニオンギャップは増加)による過換気と耳鳴または聴力低下の組み合わせは、アスピリン中毒の存在を強く疑わせる。
- 胃内容物や尿および血中濃度(アスピリン、アセトアミノフェン)から診断がつくこともあるが、いずれも迅速性に欠ける。
重症度・予後評価: >詳細情報
- アスピリン中毒の重症度:
- ポイント:
- アスピリン中毒の重症度はアスピリン内服量、臨床症状、血中アスピリン濃度にて決定される。アスピリン中毒の特徴は、①来院時に軽症であっても救命不能なほど重篤化する可能性があること、②幽門攣縮や胃内に薬物塊を作ることにより服用後24時間以上経っても持続的に血中濃度が上昇することがあること、③尿のアルカリ化、血液浄化法が有効であること――である。
- アスピリン内服量:
- 150mg/kg以下の服用では通常急性症状は認めない。150~300mg/kgを軽症~中等症、300~500mg/kgを重症、500mg/kg以上を致死的とする。<図表>
■アスピリン中毒の重症度評価方法例
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アスピリン中毒の重症度評価方法例
- アスピリンの場合、内服量で150~300mg/kgを軽症~中等症、300~500mg/kgを重症、500mg/kg以上を致死的とする。アスピリン、アセトアミノフェン以外のNSAIDsでは、成人で常用量の10倍以上、小児で常用量の5倍以上の過量内服をした場合には、4~6時間の経過観察を要する。
- アスピリン中毒を疑う患者ではアスピリンの血中濃度を評価する。急性中毒で100mg/dl以上、慢性中毒で60mg/dl以上で重症と考える。血中アスピリン濃度は、2~3時間おきにチェックし(例えば、内服6時間後と8時間後など)、血中濃度のピークを確認する。
○ アスピリン中毒を疑う患者では1)2)を評価する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
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すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
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