痙攣発作終了後の対応

著者: 西川佳友 トヨタ記念病院 救急科

監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問

著者校正/監修レビュー済:2019/10/26
参考ガイドライン:
  1. てんかん診療ガイドライン2018年(エビデンスランクJ)

概要・推奨  

  1. “痙攣を起こした”という患者を診察する際には、本当に“痙攣”であったかの確認を本人、家族、目撃者、救急隊などの情報を交えて病歴聴取をする(推奨度1)。その鑑別は多岐にわたり、情報なども乏しい場合があるが、最も見逃したくない病態は心原性失神(例:心室細動)である。
  1. 心原性失神はときにconvulsive syncopeという痙攣様発作を呈することがある。てんかん発作との鑑別の最重要ポイントは発作後の経過であり、失神であれば速やかに意識は回復し、てんかん発作であればpostictal confusionというボーっとした意識障害が少なくとも15分程度は持続し徐々に回復していく。目撃者や救急隊からは発作後の状況をできるだけ詳細に伺う(推奨度1)。
  1. 舌咬傷、特に外側の舌咬傷は全般性てんかん発作の診断に特異的である。他にも肩関節脱臼や脊椎骨折を合併することがあるため、意識障害がある場合でも積極的にこれらの所見を探しにいくことが推奨される(推奨度1)。
  1. 診察した状態で間代性痙攣は頓挫しているものの、遷延した意識障害や凝視、身体一部のピクツキなどを認めれば非痙攣性てんかん重積状態(NCSE:Non Convulsive Status Epilepticus)でないかを疑う。原因のはっきりしない意識障害患者の数%(ある報告では32%)を占めるとされ、早期診断早期加療が近年注目されている。診断基準はなく、確定診断には脳波測定を要するため脳神経内科医への相談が望まれる(推奨度1)。
  1. NCSEを疑いながらも、脳波へのアクセスや脳神経内科医の迅速な介入が困難な場合においては、診断的治療目的にベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ロラゼパム)の投与が許容される(推奨度3)。
  1. 頭蓋内病変の検索には、CTに比べMRIのほうが推奨される。MRIが禁忌の場合、呼吸やバイタルサインが不安定な場合には頭部CTを優先する(推奨度1)。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 「てんかん診療ガイドライン2018年」に基づき、日々の診療でつまずくところ、悩むところを中心に、わかりやすくかつ簡潔にまとめた。
  1. てんかんに関連する外傷、類似病態、薬剤選択の注意点なども、ポイントを押さえ記載した。


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