熱中症、熱射病

著者: 千葉拓世 国際医療福祉大学 救急医学講座

監修: 志賀隆 国際医療福祉大学 医学部救急医学/国際医療福祉大学病院 救急医療部

著者校正/監修レビュー済:2020/03/12

概要・推奨  

  1. 体温測定は直腸温か食道温で行う。
  1. 体温を下げるには、運動誘発性熱射病では水風呂に漬かるのが一番早く、有効である。体温を何度まで下げるかについての目標ははっきりしないが、一般的には38~39程度まで下げる(推奨度2)
  1. ダントロレンは熱射病には使用を推奨しない(推奨度3)
  1. 水分補給のしかたや内服している薬剤などによって、血清ナトリウム値が低下したり上昇したりしていることもあり、注意が必要である(推奨度1)
  1. 古典的熱射病の患者は必ずしも脱水を起こしていないため、輸液量については注意を要する(推奨度1)
  1. 横紋筋融解症において適切な晶質液ははっきりとしない。
  1. マンニトールとメイロンで腎不全の予防や死亡率の低下は期待できないが、CPKが高値になるとマンニトールやメイロンが効果をもたらす可能性がある(推奨度2)
  1. 暑熱順化には10~14日かかるため、ゆっくりと環境に慣れていく必要がある。熱中症で帰宅した後は、少なくとも1~2日は熱暑環境を避ける。水分補給は0.1~0.2%の塩分を含んだものを、口渇を感じる前に行う。高温環境(WBGT28以上)では、激しい運動はできるだけ避ける(推奨度1)
  1. 寝たきり、毎日は出かけない、生活が自立していないというのは、熱波の際の死亡リスクになる。精神疾患の既往や心血管疾患、呼吸器疾患もリスクを上げる。自宅にクーラーがある、涼しい所に行っている、社会的コンタクトが増えるといったことは、予後良好の因子である(推奨度2)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 病院前でも体温を積極的に下げることについて言及(Cool first, transfer second.)。
  1. Wilderness Medical Societyによるガイドラインを参照に追加。
  1. 防水タープを使用した簡易水風呂での冷却について言及。


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