痛風腎 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
大野岩男 東京慈恵会医科大学 総合診療内科

概要

疾患のポイント:
  1. 痛風腎とは、痛風の原因である尿酸結晶が腎臓に沈着することにより間質尿細管性腎炎を発症した状態である。
  1. 痛風患者の腎障害の頻度についてはさまざまな報告があるが、我々のデータでは、腎機能の低下の観点からみると痛風患者の約14%である。
  1. 痛風腎は、痛風に高率に合併する高血圧と相まって、腎機能低下は徐々に進行し末期腎不全に陥ることが多く、現在でも痛風腎は透析導入患者の原疾患のなかで1%弱を占めている。
  1. 結節性痛風患者で腎機能低下、蛋白尿などを認めたとき、腎機能に見合わない高尿酸血症を持つ経過の長い痛風患者で腎機能低下、蛋白尿などを認めたときに痛風腎を想起する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 結節性痛風患者、または、腎機能に見合わない高尿酸血症を持つ経過の長い痛風患者で、典型的臨床所見(軽度蛋白尿、尿細管性蛋白尿、最高尿浸透圧低下、腎機能低下、高血圧など)を持つ患者において、腎超音波検査にてhyper-echoic medulla、または、腎生検にて尿酸塩結晶による尿細管間質性腎炎の所見が得られた場合に痛風腎と診断する。
  1. 痛風腎診断のアルゴリズム:アルゴリズム
  1. 鑑別疾患としては、①腎臓超音波検査でhyper-echoic medullaを呈する疾患、②鉛腎症、③家族性若年性高尿酸血症性腎症――が挙げられる(鑑別疾患の項 鑑別疾患 参照)。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 痛風腎の腎に関する臨床所見は一般的な慢性腎臓病と同様であるので、慢性腎臓病の重症度を参考に重症度を判断する。(参照: 慢性腎臓病 )
 
治療: >詳細情報 
  1. 一般的な慢性腎臓病(CKD)の管理と、 尿酸生成抑制薬+尿路管理(水分摂取と尿アルカリ化)を行う。
  1. 食事療法(減塩、低蛋白質食)に加えて、低プリン食、アルコール摂取制限を行う。
  1. 尿路管理(飲水指導と尿のアルカリ化)も重要となる。
  1. 高尿酸血症に対しては、尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット)で治療する。…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

高尿酸血症治療例
  1. 尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、尿酸降下薬は漸増投与を行う。
  1. アロプリノールの活性代謝産物であるオキシプリノールは腎排泄性であり、血中半減期が長く体内に蓄積しやすいため減量する。一方フェブキソスタット(フェブリク)やトピロキソスタット(ウリアデックまたはトピロリック)は通常量が使用できる。 エビデンス   エビデンス  エビデンス 
○ 下記の処方を考慮する。治療する場合は1) または 2) または 3) が第1選択で、次に 4) を選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

痛風腎診断のアルゴリズム
痛風における腎障害の発症・進展機序
痛風腎の超音波所見(hyper- echoic medulla)
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30


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