放射線被ばく :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
小淵岳恒 福井大学医学部附属病院 救急部

概要

ポイント:
  1. 放射線とは、電磁波・粒子線のうちで直接的または間接的に空気を電離する能力を持つものを指し、放射能とは、放射線を出す能力、または放射線を出す物質のことを指す。また、被ばくは、人体に放射線が当たることを指し、汚染は放射性物質が身体表面に付着することを意味する。
  1. 放射線にはα線、β線、γ線、中性子線などがあり、いずれも無色透明、無味無臭である。各種放射線に対して専用の測定機器があり、放射線の強さを数字にして表すことが可能である。
  1. 医療者は外部被ばくと汚染の違いを把握することが肝要である。
  1. 外部被ばく:
外部から放射線を浴びた場合を示す。(例:レントゲン撮影)
放射線の影響を受けるのは放射線を浴びた本人のみである。
外部被ばくを受けた人の周囲で活動を行う医療者には影響はしない。
GM管では反応はないために、個人線量計が必要となる。
  1. 内部被ばく:
放射性物質を体内に取り込んでしまった場合を示す。
飲み込んだり、吸い込んだり、傷のなかに残ることである。
内部被ばくを受けた人は、GM管を使った検査だけでは十分ではなく、ホールボディーカウンターにより詳細な評価が必要となる。
  1. 表面汚染:
放射性物質が体の表面に付着することを示す。
汚染を受けた人は、その人のみならず周囲の人にも放射線の影響をきたす。
GM管にて汚染の範囲、汚染の程度を示すことができる。
汚染拡大を防ぐためには、まず汚染した衣服を脱衣し、除染を行うことで医療者への被ばくは限りなく小さくすることができる。
 
外来での対応:
  1. 情報の収集:
  1. 情報を収集する時点で、外部被ばくであるか、表面汚染であるのかが区別可能である。
  1. 区別ができない場合には、表面汚染があるものとして対応する。
  1. 外部被ばくのみの場合には、対応する医療者は特別な装備は必要とせず、通常の外来対応を行う服装でよい。
  1. 内部被ばく、表面汚染を伴う場合には、特別な対応を必要とする。
  1. 評価
  1. 放射線測定機器以外は、通常の外来対応で十分である。汚染患者を診療する際には、汚染拡大を防止するために外来の一室を養生して治療エリアに設定し、入室する人数を制限する。自らは防護服…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

被ばく患者への対応・処置
  1. 被ばくだけなら患者から放射線は出ないため、医療者は通常の白衣で診察。汚染もあれば、養生し、汚染拡大防止のための服装が必要である。
○ 被ばくだけなのか、汚染も伴うのかをきちんと区別して対応する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

放射線被ばくフローシート
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10

改訂のポイント: