腎性貧血 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
西 慎一 神戸大学大学院医学研究科腎臓内科/腎・血液浄化センター

概要

疾患のポイント:
  1. 腎性貧血とは、腎障害に伴い出現する貧血であり、その主たる原因は腎臓から産生される赤血球産生刺激因子であるエリスロポエチンの産生低下であるが、慢性炎症、出血など他の要因も同時に存在する場合も多い。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 日本人では60歳までであれば、ヘモグロビン(Hb)値が男性で13.5g/dl、女性で11.5g/dl未満になった場合、60歳以上であれば、男性で12.0g/dl、女性で10.5g/dl未満になった場合、一般的に貧血と診断する。<図表>
  1. CKDステージ3以降にみられる正球性正色素性貧血または、大球性貧血で、鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏による貧血を除外または治療することにより診断となる。
  1. ほとんどの腎性貧血症例では、血中エリスロポエチンレベルは正常上限をやや超えた約50国際単位(IU)/ml未満にとどまる。
 
治療: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 治療薬として赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を使用する。少量の使用量から開始し、Hb値あるいはHb値上昇速度をみながら使用量を増やす。
  1. ①エポエチンアルファ(エスポー)またはベータ(エポジン)、②ダルベポエチンアルファ(ネスプ)、③エポエチンベータペゴル(ミルセラ)の3種類のESAから選択するが、保存期腎不全患者では、投与間隔があけられる長期作用型ESAであるダルベポエチンアルファ、エポエチンベータペゴルが使用しやすい。エポエチンにはバイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)であるエポエチンアルファBSも登場し使用可能である。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 鉄欠乏性貧血があれば、鉄剤で補充治療をする。以下、2015年版 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドラインに沿って記載する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

保存期腎不全患者、腹膜透析患者の初回腎性貧血治療開始時の薬剤例
  1. 3種類のESAより選択することが可能である。
  1. 1カ月に1回の通院しかできない症例であれば、ネスプあるいはミルセラの使用が推奨される。
○ 保存期腎不全患者・腹膜透析患者では、下記の薬剤から1剤を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

腎性貧血の診断
腎性貧血の治療アルゴリズム
日本人の年齢、性別Hb値
著者校正/監修レビュー済
2018/01/31


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