腎性貧血

著者: 西 慎一 神戸大学大学院医学研究科腎臓内科/腎・血液浄化センター

監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院

著者校正/監修レビュー済:2019/07/09
参考ガイドライン:
2015 年版 日本透析医学会 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン

概要・推奨  

薬剤承認情報
2019年9月20日 エベレンゾ錠 (ロキサデュスタット)HIF-PH阻害薬/腎性貧血治療薬
 
  1. 腎性貧血の診断には、血中エリスロポエチン濃度測定は有用でないという意見もある。しかし、腎機能が軽度低下例でもエリスロポエチン産生が低下する症例もあり、腎性貧血の診断に血中エリスロポエチン濃度測定は推奨される(推奨度2)。
  1. 日本人血液透析患者のHb値目標値を10~12g/dlに維持することは、生命予後を良好に保つために推奨される(推奨度2)。
  1. 腎生貧血の治療は、QOLの改善の中でもvitalityを改善するので推奨される(推奨度2)。
  1. 腎性貧血治療では、Hb値>13g/dlに維持すると心血管系イベントのリスクを増加させる可能性があり、これを回避することが推奨される(推奨度1)。
  1. 腎性貧血治療では、Hb値の正常化は脳卒中のリスクを増加させる可能性があり、Hb値の正常化は回避することが推奨される(推奨度1)。
  1. 長時間作用型ESAは投与間隔をあけても腎性貧血改善効果があるので、外来通院患者において使用が推奨される(推奨度2)。
  1. エポエチンベータペゴルは静注でも皮下注でもHb値維持効果が同等であり、皮下注が難しい症例では静注も推奨される(推奨度2)。
  1. 長時間作用型ESAは、使用量を調節すればHb値オーバーシュート(Hb値>13.0 g/dl)を防ぐことができ、初期治療選択薬として推奨される(推奨度 2)。
  1. ESA製剤も鉄剤も投与されておらず目標Hb値が維持できない患者において、血清フェリチン値が50ng/ml未満の場合、ESA投与に先行した鉄補充療法を提案する。ESA投与下で目標Hb値が維持できない患者において、血清フェリチン値が100ng/ml未満かつTSATが20%未満の場合、鉄補充療法を推奨する(推奨度3)。
  1. 血清フェリチン値が300ng/mlを超える鉄補充は推奨しない(推奨度3)。
  1. 急激なHb値の上昇により高血圧を惹起する症例が存在するので、降圧療法を十分に行いながらESA治療することを推奨する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 2015 年版 日本透析医学会 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドラインに基づき、鉄の評価基準について改訂を行った。


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