慢性運動失調 :トップ    
監修: 永山正雄 国際医療福祉大学大学院医学研究科 神経内科学
石黒太郎1) 水澤英洋2) 1)東京医科歯科大学 脳神経病態学分野 2)国立精神・神経医療研究センター病院

概要

疾患のポイント:
  1. 慢性運動失調とは慢性に起こる協調運動障害を指す。運動失調症の鑑別には①解剖学的部位、小脳性、後索(脊髄)性、前庭性、大脳性運動失調、②症状(局所性か全身性)、③時間的経過(急性、慢性、持続性、発作性)など念頭に診断を行う。
  1. 実際の診察時では運動失調はふらふらする「ふらつき」として表現されることが多い。しかし「ふらつき」の訴えには、運動失調以外にも全身倦怠感や頭重感、目眩感(dizziness)や狭義のめまい(vertigo)のほか、四肢筋力低下、膝関節痛、腰痛からくる歩行障害などさまざまな病態・症状を含むことに留意する。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 経過が急性、亜急性の運動失調の場合は、緊急な対応が必要な場合がある。原因として脳血管障害(小脳梗塞、小脳出血他)、さまざまな原因の小脳炎、Fisher症候群、中毒などが挙げられる。専門医に相談し、それぞれの診断、症状に従い治療する。SCD(spinocerebellar degeneration)では通常、急性の経過はとらない。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 通常、診断ののちに治療を行うため、症状治療は存在しない。
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 )
  1. 運動失調症の鑑別には①解剖学的部位、小脳性、後索(脊髄)性、前庭性、大脳性運動失調、②症状(局所性か全身性)、③時間的経過(急性、慢性、持続性、発作性)など念頭に診断を行う。
  1. まず、脳血管障害、炎症、腫瘍、多発性硬化症、内分泌異常、薬物中毒などによる二次性の運動失調症を評価する。
  1. 例:めまい感(dizziness):「眼前暗黒感」、「気が遠くなる感じ」、失神を伴う場合には心疾患(弁膜疾患や不整脈)、起立性低血圧、肺高血圧症などの肺疾患、貧血など内科的疾患にも留意する。
  1. 例:回転性めまい(vertigo):難聴や耳鳴りを伴うぐるぐる回るようなめまいや頭位変換に伴う繰り返すめまいなどは、聴神経/…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

二次性の小脳失調のスクリーニング
  1. 脊髄小脳失調症なのか、あるいは治療可能性のある二次性の小脳失調症なのかを鑑別する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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脊髄小脳失調症の診断の流れ
神経学的診察のポイント
問診のポイント
運動失調の等級分け評価スケール
典型的画像例
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26