失神

著者: 武村克哉 琉球大学医学部附属病院 地域医療部

監修: 徳田安春 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター

著者校正/監修レビュー済:2020/01/31
参考ガイドライン:
  1. 2018 ESC Guideline for the diagnosis and management of syncope
  1. 失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版)

概要・推奨  

診断:初期評価
  1. 最初に、(1)そのイベントは一過性意識消失(T-LOC: Transient loss of consciousness)か、(2)T-LOCであれば、失神あるいは非失神か、(3)失神が疑われる場合、明らかな原因診断はあるか、(4)心血管イベントまたは心血管死の高リスクを示唆する所見はあるか、を考える。
  1. 救急部門でのT-LOCの評価では、まず、(1)重大な基礎疾患はあるか、(2)原因が明らかでない場合、重篤な転帰のリスクは何か、(3)入院させる必要があるか、を考える。
  1. すべての失神患者で、詳細な病歴聴取、身体診察(立位での血圧測定を含む)、心電図検査を行う(推奨度1)。
  1. 不整脈性失神は、心電図が以下の所見を示す場合に非常に可能性が高くなる(推奨度1)。
  1. 40回/分未満の持続性洞徐脈、あるいは身体トレーニングをしていない患者で覚醒時3秒以上の洞停止
  1. MobitzⅡ型第2度房室ブロック・第3度房室ブロック
  1. 交代性脚ブロック
  1. 心室頻拍あるいは速い発作性上室性頻拍
  1. 多形性心室頻拍の非持続的な発作とQT延長あるいは短縮
  1. 心停止を伴うペースメーカーあるいはICD不全
  1. 高リスクの患者(表[0601])では、すぐに心電図モニタリングを行う(推奨度1)。
  1. 既知の心疾患や器質的心疾患を示唆するデータがある場合、または心血管系の原因による失神の場合は、心エコーを行う(推奨度1)。
  1. 失神が疼痛、恐怖、または立位によって引き起こされ、典型的な前駆症状(蒼白、発汗、および/または悪心)を伴っている場合、迷走神経反射の可能性が非常に高い(推奨度1)。
  1. 特定の誘因{排尿、嚥下、排便、咳、くしゃみ、運動後、その他(笑い、金管楽器演奏など)}の動作中あるいは直後で失神が生じた場合、状況失神の可能性が非常に高い(推奨度1)。
  1. 立位中に失神が生じ、付随する起立性低血圧がある場合、起立性低血圧による失神であることが裏付けられる(推奨度1)。
  1. 初期の失神評価として臥位と3分間立位後の血圧測定が推奨される(推奨度1)。
  1. 起立…
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 欧州心臓病学会(European Society of Cardiology: ESC)の「失神の診断と治療のガイドライン2018」に基づき、概要・推奨の修正を行った。


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