失神 :トップ    
監修: 徳田安春 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター
水野 篤 聖路加国際病院 循環器内科・QIセンター

概要

症状のポイント: >詳細情報 
  1. 失神とは、脳への血液の流れが瞬間的に減少することによって起きる一時的な意識消失である。それ以外の意識消失とは、病歴で区別される。
  1. 失神は日常診療でよく遭遇する症状であり、疫学的にも全人口の1/3が経験するといわれている。
  1. 失神に続発する外傷(転倒などによる)が懸念されるため、患者への説明が重要である。
 
緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 失神を主訴とする疾患で緊急の対応が必要なものとして、ショックを起こし得るような致命的疾患、すなわち急性冠症候群や肺塞栓などの心血管疾患や出血、高度脱水、敗血症性ショックなどがある。それぞれの診断、症状に従い治療する。
 
症状治療診断的治療: >詳細情報 
  1. 症状の基礎疾患がある場合は治療する。
 
入院の決定: >詳細情報 
  1. 致命的基礎疾患(急性冠症候群、肺塞栓、脳出血など)が疑われる患者、失神による頭部打撲など外傷がある患者などには入院精査を考慮する。
  1. 以下のいずれかのある患者は重篤な臨床経過(死亡、心筋梗塞、不整脈、肺塞栓症、脳梗塞、クモ膜下出血、重度の出血、または救急外来再受診と入院の原因になるような病態)をたどるリスクが高い。逆に、これらのいずれも認めない患者は入院を必要としない(サンフランシスコ失神ルール:感度96%、特異度62%)
  1. うっ血性心不全
  1. ヘマトクリット<30%
  1. 心電図異常(洞調律以外、以前の心電図より変化)
  1. 息切れ
  1. 収縮期血圧<90mmHg
 
診断へのアプローチ:(診察 >詳細情報 )
  1. 失神とそれ以外の意識消失との評価:
  1. 失神は全般性の脳の低灌流によるものであり、それ以外の意識消失とは区別される。
  1. 以下の4つの質問の答えがYesであった場合は失神の可能性が高く、3つ以下であった場合は上記それ以外の意識消失の原因を探索する必要がある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. 失神で最初に介入すべき検査は、致命的疾患の除外である。心筋梗塞、心不全、大動脈乖離、不整脈などの致命的疾患の表現として一過性の意識消失、つまり失神が起こり得るからである。
  1. 致命的疾患を検索する病歴項目の聴取(胸痛、呼吸困難、外傷など)、バイタルサインを含めた身体診察、血糖検査(低血糖の除外)と心電図(虚血性心疾患と不整脈)は、スクリーニングとして適切である。
○ 鑑別診断に基づき下記を適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

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2017/02/28


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