急性下痢 :トップ    
監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター
脇坂達郎 国立病院機構名古屋医療センター 総合内科

概要

症状のポイント: >詳細情報 
  1. 下痢は高頻度の症状であり、世界で10億人が年に1回以上の急性下痢症に罹患しているとされる。医療アクセスに不利な開発途上国では、乳幼児の死亡原因として重要視されている。
  1. 急性下痢は、発症から1週間以内のものを指す。下痢の厳密な定義はないが、一般的には、排便における水分の増加や固形ではない便が頻回に排出されることである。

感染性腸炎に関する法律に関する規制:
  1. 感染症法による規制では、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスは、3類感染症に分類され、診断した医師は、ただちに最寄りの保健所に届け出、また必要に応じて患者及び無症状病原体保有者について就業制限等の措置をする必要がある。また、アメーバ赤痢は、5類感染症(医師による届け出)に分類され、診断した医師は、7日以内に最寄りの保健所に届け出る必要がある。また、ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告がなされている。
  1. また、学校保健安全法では、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスは、第三種感染症に指定されており、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」を出席停止の期間の基準としている。
  1. 食品衛生法では、食品、添加物、器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者(以下「食中毒患者等」という。)を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。( 食中毒患者の届出の義務 )
 
緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 脱水症・循環不全が重篤な場合には、原因診断と並行して補液などの対症療法を行う。
  1. 全身症状の強い細菌性腸炎、敗血症、急性HIV感染症など、早期の特異的治療が必要な病状に対応する。

症状治療: >詳細情報 
  1. 水分摂取を勧める。経口摂取不能の場合には点滴投与を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

症状治療例
  1. 必要に応じて脱水の補正(水分摂取・経口補水液・点滴)や対症療法(制吐薬・鎮痛薬・整腸薬など)を行う。
  1. 抗菌薬の経験的投与を開始したほうがよい場合には便培養後に開始。
  1. プロバイオティクス(ラクトバシラス製剤)は、感染性下痢症の症状の短縮に対する効果が示されている。
  1. ロペラミドの投与は、発熱や血便のない患者においては症状の持続期間を短縮させる可能性があり、考慮してもよい。
○ 脱水の治療目的で1)2)のいずれかを、制吐薬として3)4)のいずれかを、下痢症状の改善目的で5)6)のいずれかを、整腸剤として7)8)のいずれかを考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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