消化不良 :トップ    
監修: 山中克郎 諏訪中央病院
黒田浩一 亀田総合病院 感染症科

概要

疾患のまとめ:
  1. 消化不良とは、心窩部の痛み、食後の膨満感、胸やけなどの上腹部症状のことである。ディスペプシアと記載されることが多い。
  1. 消化不良は、さまざまな病態から起こり、幅広い鑑別疾患を必要とする、多くの人が訴える症状である。有病率は25%程度とされるが、大多数の患者は医療機関を受診することはない。プライマリケア医を訪れる患者の2~5%が消化不良を訴える。
  1. RomeⅢ基準が2006年に発表され、食後の腹部膨満感、早期飽満感(early satiation)、心窩部の痛みまたは灼熱感、のいずれかに該当するものを「消化不良」と定義した。胸やけ症状は含んでいない。さらに2016年にRome IV基準が発表され定義がわずかに改定された。これらの基準は、研究用基準のため、臨床現場になじまない。実際の臨床現場では、1カ月以上続く心窩部痛を主体とした上部消化管症状を「消化不良」とすればよい。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 上部消化管出血による出血性ショックの場合は、緊急の対応が必要となる。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、COX-2阻害薬、アスピリンの内服がある場合、投薬の中止または他剤への変更を考慮するか、プロトポンプ阻害薬(PPI)の内服を追加する。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 55歳以下で警告症状がない場合は、PPIの内服(4~8週間)、ピロリ菌の検査をして除菌を検討する。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 上部消化管内視鏡検査が必要と考えられた場合、消化器内科専門医に紹介する。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の対応と特に重要な検査例
  1. 55歳以上または警告症状がある場合は、早期の上部消化管内視鏡検査を行い、胃癌・食道癌・胃十二指腸潰瘍の検索を行う。55歳未満かつ警告症状がない場合は、ピロリ菌(HP)検査を行い、その結果に応じてHPの除菌療法を行う、または、HP 検査を行わずにPPIによる経験的治療を行う。ただし、わが国では上部消化管内視鏡検査または胃透視検査により胃十二指腸潰瘍と慢性胃炎確定例でのみHP検査・除菌が保険適用となっているため、自費診療となることに注意が必要である。
  1. ピロリ菌の検査は、尿素呼気試験が感度・特異度ともに優れ、一般的である。ピロリ菌検査前は少なくとも2週間はPPIを休薬する。
○ 消化不良の場合、鑑別診断に基づき下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

消化不良患者の診療の最初のステップ
消化不良患者の診療のステップ2
PPIによる経験的治療が失敗した例の診療アルゴリズム
機能性ディスペプシアの診療アルゴリズム
消化不良の鑑別診断
消化不良の起因となる薬剤
著者校正/監修レビュー済
2018/04/02


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