腹水貯留 :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
榎本平之 西口修平 兵庫医科大学 内科学肝胆膵科

概要

症状のポイント:
  1. 腹水貯留とは、腹腔内に異常に多量の液体が貯留した状態である。診察所見から腹水貯留を疑い、エコーやCTの画像検査により腹水の存在診断に至る。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 腹水貯留に伴う疾患で緊急の対応が必要な診断として、肝細胞癌破裂、特発性細菌性腹膜炎(SBP)(典型的症例1: 症例 )、二次性細菌性腹膜炎、多量の腹水貯留による呼吸・循環障害などが挙げられる。いずれもそれぞれの診断と症状に従い治療する。
  1. 肝癌破裂のCT画像:<図表>
 
症状治療: >詳細情報 
  1. 診断に基づく治療が原則であるが、多量の腹水貯留による苦痛や呼吸・循環障害に対しては症状緩和の穿刺排液が行われる。
  1. 肝硬変腹水に対しては安静・減塩とし、利尿薬と必要に応じアルブミン製剤の投与を行う。利尿薬は抗アルドステロン薬を第1選択とし、ループ利尿薬は併用薬または効果不十分時の追加薬とする。薬物治療で効果不十分な場合は腹水の穿刺排液で対処し、経過により腹水濾過濃縮静注やP-Vシャントを考慮する。 エビデンス   エビデンス   エビデンス   エビデンス   エビデンス   …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

腹水患者のスクリーニング検査例
  1. 上述したが、原因疾患は多彩であるが、肝硬変が75%以上と最多であり、悪性腫瘍による癌性腹膜炎が約10%で続く。そのほかに頻度が高い疾患として 心不全  結核 (各々約2~3%)、 急性膵炎 (約1%)がある。
○ 腹水貯留が疑われる場合、下記の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

腹水穿刺による腹水鑑別のアルゴリズム
腹水患者の身体所見
肝硬変による腹水貯留の超音波画像
肝硬変による腹水貯留のCT画像
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. 腹腔穿刺後は、バイタルサインを含めた全身チェックを定期頻回に行い、急激な出血を認めた場合には速やかな圧迫止血を行う:
  1. 事例:腹水貯留に対して腹部超音波にて観察後、静脈留置針20Gを用いて穿刺を行った。穿刺後黄色腹水の逆流を確認した。穿刺後約2時間後に患者より腹痛の訴えがあり、圧痛と穿刺部の血腫(径約5cm)を認めた。腹痛は改善せず血腫が増大し、動脈造影を施行したところ下腹壁動脈からの出血が確認された。塞栓術を行うも約4時間後に死亡した。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示
  1. 使い慣れない薬剤の投与量に注意する:
  1. 事例:電子教科書「UpToDate」を参考にして、間欠的投与法(単位mg/kg)を計画する際に、連続投与法の欄にある投与量(単位mg/L)を用いて計算し、4.5倍量のトブラシンを投与(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示
 
編集履歴:
2017年7月5日 誤植修正
修正箇所:腹水穿刺による腹水鑑別のアルゴリズム
 
SAAG=腹水アルブミン濃度-血清アルブミン濃度
SAAG=血清アルブミン濃度-腹水アルブミン濃度


詳細ナビ