吐き気、嘔吐

著者: 柴﨑俊一 ひたちなか総合病院 救急・総合内科

監修: 山中克郎 福島県立医科大学会津医療センター総合内科

著者校正済:2020/04/16
現在監修レビュー中

参考ガイドライン:
  1. 日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン2015年10月(第2版)
  1. 米国消化器病学会(AGA):American Gastroenterological Association medical position statement: nausea and vomiting

概要・推奨  

  1. 嘔気・嘔吐の患者を診察する際には、まず患者の訴えが本当に嘔気・嘔吐なのか確かめることが推奨される(推奨度2)。
  1. 妊娠が嘔気・嘔吐の原因であるかどうかをみるためだけでなく、X線検査を施行するための要件として、妊娠可能な女性に、その可能性を聴取し、妊娠反応検査を行うことは強く推奨される(推奨度1)。
  1. 薬剤の副作用は嘔気・嘔吐の最も一般的な原因であり、薬剤歴を聴取することは強く推奨される(推奨度1)。
  1. 抗癌薬を投与されている患者では、嘔気・嘔吐はよく遭遇する症状であるため、抗癌薬の投与の有無を確認することは強く推奨される。抗癌薬の種類による嘔気・嘔吐の頻度もわかっているため、何が使われているか確認する(推奨度1)。
  1. 術後の患者も嘔気・嘔吐(post operative nausea and vomiting、PONV)を来すことがある。患者が術後であるかどうかを確認することは強く推奨される。どのような患者で術後の嘔気・嘔吐を伴いやすいかも研究されており、その危険因子を把握することも重要である(推奨度1)。
  1. 嘔気・嘔吐の鑑別診断として心筋梗塞が挙がる。心筋梗塞は緊急性の高い疾患であり、胸痛の有無の聴取は、すべての嘔気・嘔吐患者に強く推奨される。特に下壁・後壁梗塞に一般的と以前は考えられていたが、最近の研究では嘔気・嘔吐の存在は場所よりも梗塞のサイズと関係していることが示唆されている(推奨度1)。
  1. 嘔気・嘔吐を認める患者で、食事早期の満腹、食後の腹部膨満と腹部不快は、原因となる胃不全麻痺を示唆するかもしれない。それらを聴取することが推奨される(推奨度2)。
  1. 精神疾患による嘔気・嘔吐または心因性嘔吐はその原因疾患により、嘔吐パターンが異なる。それらを聴取することは推奨される(推奨度2)。
  1. 特に小児の場合、繰り返す嘔吐は周期性嘔吐症候群の可能性がある。1時間当たりの嘔吐の回数、月・年当たりの嘔吐エピソードの回数、1エピソードの期間などを聴取することが推奨される(推奨度2)。
  1. 腹部X線検査は、低コストであり簡便でありながら、腸閉塞やイレウスを…
薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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  1. 改訂のポイント:定期レビューを行った(変更なし)。


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