吐血

著者: 小林隆1) 藤田医科大学ばんたね病院 消化器内科

著者: 芳野純治2) 医療法人松柏会 大名古屋ビルセントラルクリニック

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2019/07/19
参考ガイドライン:
日本消化器病学会:消化性潰瘍診療ガイドライン 2015 改訂第2版

概要・推奨  

  1. 吐血(上部消化管出血)の原因は半数が胃・十二指腸潰瘍である(推奨度1)
  1. NSAIDs服用により、上部消化管出血のリスクは高まる(推奨度1)
  1. 低用量アスピリンを服用する患者は服用しない患者に比べ、上部消化管出血のリスクは高い(推奨度1)
  1. 吐血時に出血性ショックを認める場合は、輸血が必要である(推奨度1)
  1. 出血性消化性潰瘍では原則入院加療が必要であり、急性期には絶食が推奨される(推奨度1)
  1. 出血性消化性潰瘍に対し内視鏡的治療を行うことは、持続・再出血、緊急手術への移行および患者の死亡を回避するうえで明らかに有用であり、推奨される(推奨度1)
  1. 出血性消化性潰瘍のうち活動性出血例と非出血性露出血管例が内視鏡的治療のよい適応であり、推奨される(推奨度1)
  1. 出血性潰瘍に対する内視鏡的治療において、エピネフリン局注法に他の内視鏡治療法を追加すると初回止血・再出血の予防が良好で、手術への移行が減少する(推奨度1)
  1. 止血治療実施後の内視鏡検査による経過観察(セカンドルック)は、再出血のおそれがある症例に対して行うことが推奨される(推奨度1)
  1. 出血性消化性潰瘍患者の内視鏡的治療後にPPIおよびH2RAを投与することで、治療成績が向上する(推奨度1
  1. H.pylori除菌治療は胃潰瘍の治癒を促進する(推奨度1)
  1. 抗凝固薬・抗血小板薬服用患者が出血性消化性潰瘍を発症した場合、抗凝固薬・抗血小板薬は止血確認後に再開する(推奨度2)
  1. 止血困難例に対する二次治療として、interventional radiology (IVR)は有用である(推奨度1)
  1. 高齢者の消化性潰瘍出血患者は高度の貧血を伴う場合、または、2回の出血性ショックを呈したら、または輸血量が少ないうちに手術に移行することが推奨される(推奨度2)
  1. 消化性潰瘍穿孔は年齢が70歳以上のとき、血行動態が安定しないとき、重篤な併存疾患があるとき、または腹部筋性防御が24時間以内に軽快しないときは手術適応である(推奨度2)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 消化性潰瘍診療ガイドライン 2015 改訂第2版に基づき症状治療、診断治療について改訂加筆修正を行った。


ページ上部に戻る

疫学、診断、治療、予後、それらのエビデンス等をご覧になりたい場合には、
トライアル登録またはご契約へ