凝固傾向 :トップ    
監修: 岡田定 聖路加国際病院
樋口敬和 獨協医科大学越谷病院 輸血部

概要

疾患のポイント:
  1. 凝固傾向は、血流の異常、血管壁の異常とともに、血栓形成の重要な因子になる。動脈血栓と静脈血栓では基礎疾患、発症機序、治療が異なる。
  1. 動脈血栓は、血小板が主体の「血小板血栓」「白色血栓」であり、動脈硬化性病変を基盤として発症する。
  1. 静脈血栓は、血流の停滞や凝固活性の亢進を基礎として発症するフィブリンと赤血球が主体の「フィブリン血栓」「赤色血栓」である。
  1. 凝固傾向は、動脈硬化性病変がなくても血栓症を来しやすい状態であり、臨床的には静脈血栓が問題となる場合が多い。特に、深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis、DVT) と肺塞栓症 (pulmonary thromboembolism、PTE) が重要である。
 
検査:
  1. 血栓症が疑われる患者で、Dダイマーが陰性の場合は血栓塞栓症の合併は否定的であるが(陰性適中率が高い)、陽性の場合でも、必ずしも血栓症であるとは限らない(陽性適中率が低い)。
 
診断へのアプローチ:(問診・診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 凝固傾向の多くは後天性凝固傾向である。若年発症の血栓症の家族歴、若年発症(40歳以下)、非典型部位(脳静脈洞、門脈、腸間膜静脈など)の血栓症、反復性などの血栓性素因を示唆する所見がなければ、静脈血栓症を初めて生じた患者に先天性血栓性素因の検査は必ずしも必要としない。 エビデンス 
  1. 頻度の多い疾患: >詳細情報 
  1. 静脈血栓症を発症した患者は、長期臥床、手術、悪性腫瘍、経口避妊薬などのリスクを確認する。
  1. 緊急疾患:
  1. 緊急疾患として肺塞栓症がある。
  1. まれな疾患: >詳細情報 
  1. 鑑別として、骨髄増殖性腫瘍などが存在する
  1. 血栓性素因を示唆する所見や、ワルファリン投与により皮膚潰瘍を来した既往歴がある場合は、血栓性素因の検索を行う(抗カルジオリピン抗体、…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

凝固傾向が疑われる患者に対してまず行う検査例
  1. 実際に深部静脈血栓などの血栓症を伴っているか評価するともに、凝固異常のスクリーニングを行う。
○ 凝固傾向が疑われる場合、1)、4)は必ず検査する。下記を病態に合わせて行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

血栓傾向のアプローチ
静脈血栓塞栓症のリスクとなる疾患(病態)
大腿静脈の深部血栓症(下肢造影CT)
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22