内頚動脈狭窄症の外科的治療 :トップ    
監修: 甲村英二 神戸大学大学院医学研究科外科系講座脳神経外科学分野
飯原弘二 九州大学大学院 医学研究院 脳神経外科

概要

疾患のポイント:
  1. 内頚動脈狭窄症とは、内頚動脈が動脈硬化により狭窄を起こした状態であり、脳梗塞のリスクとなる。
 
外科的治療の適応: >詳細情報 
  1. 症候性の頚動脈狭窄症では血管径の70%以上の高度狭窄が血栓内膜剝離術(carotid endarterectomy、CEA)の適応となる。周術期合併症は6%以下が求められる(2年間における同側脳卒中再発率が1/3となる。26%→9%)。症候性の50%~69%の中等度狭窄でもCEAを考慮するが、特に女性においてはその効果は低い。潰瘍形成などを認める不安定プラークではより積極的にCEAを考慮する。
  1. 無症候性の高度頚動脈狭窄はCEAの適応となる。しかし高齢者(75歳以上)では効果は証明されていない。周術期合併症は3%以下が求められる(年間同側脳卒中発生率は2%から1%に低下する)。
  1. 上記のCEA適応症例に対しては危険因子などを評価しステント留置術(carotid artery stenting、CAS)を施行してもよい。
  1. 近年は内科治療の有効性が指摘されているが、狭窄が進行するものや対側内頚動脈狭窄を伴うもの、脳血流が障害されているものなどでは機を失せずに外科治療を考慮する。
 
合併症: >詳細情報 
  1. 周術期合併症としては脳虚血合併症が最も多い。また、周術期の死亡原因としては心筋梗塞によるものが最も多い。
  1. 術後の過灌流症候群(頭痛、けいれん、脳出血)は1~2%の頻度で発生し、脳循環予備能の低下がリスクファクターとなる。
  1. CEAでは術野の下位脳神経損傷による嗄声や嚥下障害(多くは一過性)が5%程度の頻度で生じる。
 
手技の種類とその選択: >詳細情報 
  1. 内頚動脈狭窄症の外科的治療としては血栓内膜剝離術(carotid endarterectomy、CEA)とステント留置術(carotid artery stenting、CAS)がある。
  1. CEAが基本的な手技であり、一般にCEAが困難な症例においてCASが選択されてきた。しかし最近ではC…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

手術適応の評価例
  1. 症候性狭窄症では、血管径の70%以上の高度狭窄が血栓内膜剝離術(CEA)の適応となる。周術期合併症は6%以下が求められる(2年間における同側脳卒中再発率が1/3となる。26%→9%)。
  1. 無症候性の高度頚動脈狭窄はCEAの適応となる。しかし高齢者(75歳以上)では効果は証明されていない。周術期合併症は3%以下が求められる。
○ 1)を行う。

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左内頚動脈狭窄のDSA像
CEA後のCTA
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23