今日の臨床サポート

内頚動脈狭窄症の外科的治療

著者: 飯原弘二 国立循環器病研究センター

監修: 甲村英二 公立学校共済組合 近畿中央病院

著者校正/監修レビュー済:2022/04/13
参考ガイドライン:
  1. 日本脳卒中学会 :脳卒中治療ガイドライン 2021
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 内頚動脈狭窄症の外科的治療としては血栓内膜剝離術(CEA:carotid endarterectomy)とステント留置術(CAS: carotid artery stenting)がある。
  1. 近年は内科治療の有効性が指摘されているが、狭窄が進行するものや対側内頚動脈狭窄を伴うもの、脳血流が障害されているものなどでは機を失せずにCEAやCASといった外科治療を考慮する。
  1. 症候性頚動脈高度狭窄では、抗血小板療法を含む最良の内科治療に加えて、手術および周術期管理に熟達した術者と施設において、頚動脈内膜剥離術(CEA)を行うことが勧められる(推奨度A、エビデンスレベル高)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
飯原弘二 : 企業などが提供する寄付講座(イドルシア ファーマシューティカルズ)[2022年]
監修:甲村英二 : 特に申告事項無し[2022年]

改訂のポイント:
  1. 脳卒中治療ガイドライン2021に基づいて定期レビューを行った(CEAの推奨については変更なし)。

病態・疫学・診察

手技のまとめ  
  1. 内頚動脈狭窄症の外科的治療としては血栓内膜剝離術(carotid endarterectomy、CEA)とステント留置術(carotid artery stenting、CAS)がある。
  1. CEAが基本的な手技であり、一般にCEAが困難な症例においてCASが選択されてきた。しかし最近ではCASを外科的治療の第1選択とし、CASが困難な症例にCEAを適用することも多くなっている。
 
CEA:基本はプラークを遠位端まで完全に除去することと、術中の脳虚血性合併症を防止することである。
  1. 日本人の頚動脈分岐部は欧米人より高位であるので、必要に応じて、顎二腹筋をつり上げたり、舌下神経下行枝を切断して十分な術野を得ることが重要である。
  1. 術中脳虚血の原因として、剝離操作に伴う塞栓性合併症と、血流遮断に伴う血行力学的合併症がある。
  1. 術中モニターとして体性誘発感覚電位(somatosensory evoked potential、SEP)、脳酸素飽和度測定、経頭蓋ドップラー(transcranial Doppler、TCD)等を用いて脳虚血を把握し、適宜内シャントを用いる。
  1. 血流遮断時には全身のヘパリン化を行い、ACTを250秒程度まで延長させる。
  1. 創部出血は重大な合併症となり得るので、プラーク切除後の動脈縫合は糸を愛護的に扱い、かつ確実に行う。
  1. 再狭窄症例や内頚動脈径が細い場合にはパッチを使用する。
 
CEA後のCTA

内頚動脈の狭窄は消失している。

出典

img1:  永田泉先生ご提供
 
 
 
CAS:術中の脳虚血性合併症を防止し、ステントでプラークを完全に被覆する。
  1. 術前より抗血小板薬を投与する。
  1. 術中は十分にヘパリン化し(ACT 250秒以上)、遠位塞栓防止のためprotection deviceを使用する。
  1. ステントで確実にプラークを被覆する。ステント留置前後でバルーンにより前・後拡張を行う。
  1. 術中・術後の徐脈・低血圧や術後穿刺部合併症などにも注意する。
問診・診察のポイント  
  1. 症状の把握、特に一過性脳虚血発作に注意する。

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