今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 児玉和彦 医療法人明雅会 こだま小児科

監修: 渡辺博 帝京大学老人保健センター

著者校正/監修レビュー済:2024/06/12
参考ガイドライン:
厚生労働省健康局結核感染症課:抗微生物薬適正使用の手引き 第三版,2023. 
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 最新の知見に基づき新たに書き起こした。
  1. 2023年に『厚生労働省の抗微生物薬適正使用の手引き』が改訂された。
  1. RSウイルスが夏季に流行するなど、以前とは異なる流行周期に変化していることをデータを示して記述した。
  1. 感冒とそれと類似した疾患について、症状の組み合わせと時系列に伴う変化を示した。
  1. 鼻汁や咳嗽などの対症療法について最新のエビデンスに基づいて記載を更新した。

概要・推奨   

診断
  1. 丁寧な病歴と身体診察と最低限の検査で重症な疾患を除外する(推奨度1、J)
  1. 感染症発生動向調査を参考にして流行状況を把握する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
定義
  1. 「感冒」の定義について、小児科の成書であるネルソン小児科学[1]には「感冒(the common cold)とは鼻汁や鼻閉が顕著な上気道の急性ウイルス感染症であり、頭痛、関節痛や発熱などの全身症状が無いか軽いもの。感染性鼻炎とも呼ばれるが、副鼻腔粘膜にも広がることもあるので、鼻副鼻腔炎(rhinosinusitis)と呼んだほうが正確である(筆者訳)」と記載されている。
  1. 本邦の手引き[2]では、成人での定義として、「鼻症状(鼻汁、鼻閉)、咽頭症状(咽頭痛)、下気道症状(咳、痰)の 3系統の症状が「同時に」、「同程度」存在する病態」を感冒としている。この手引きでは、ネルソンと異なり、急性鼻副鼻腔炎は、くしゃみ、鼻汁、鼻閉を主症状とする病態としている。つまり、咽頭痛や咳の症状がないか乏しいものを鼻副鼻腔炎と定義しており、若干の違いがみられる。咽頭痛を主な症状にするものは急性咽頭炎と呼ぶ。本原稿ではこの手引きの定義に沿って記述する。
  1. 臨床的には、発熱やその他の上気道症状は発症からの日数によって顕著になったり目立たなかったりする。たとえば、小児に多いRSウイルス感染症は、鼻汁咳嗽の程度がひどい感染症であるが、初日には高熱のみということもありえる。
  1. インフルエンザは、高熱と倦怠感が強く、時間がたつにつれて鼻汁咳嗽が悪化する。つまり、「感冒パターン」であるが、抗ウイルス薬があること、自然経過では7日前後の長期にわたって発熱が持続すること、けいれんや脳症、肺炎など、重篤な合併症があることから通常、感冒とは呼ばない。しかし、軽症のインフルエンザは感冒の定義に合致する。
  1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児プライマリケア現場での症状は、インフルエンザに類似した高熱、倦怠感と頭痛である。一般的に鼻汁、咳嗽はインフルエンザほど強くならない。しかし、初日には、インフルエンザとの区別は難しいし、いわゆる急性咽頭炎(その他の病原体による)とも臨床症状だけでは鑑別できない。
  1. 結論として、感冒に似た様々な疾患を除外したときに、自然に軽快してはじめて感冒と診断できる。
 
子供はよく感冒に罹患する 
  1. 6歳未満の児は年に6~8回感冒に罹患するとされる[3]。臨床的な感覚とも合致するが、感冒をよくひく子、ひきにくい子がいるのも事実である。
  1. 乳幼児の免疫機構の未熟さ、例を挙げると、咽頭のリンパ組織が発達するのが5~7歳ごろ、Th2ヘルパー細胞による反応がTh1ヘルパー細胞に変わるのが1~2歳ごろ、インターフェロンの分泌が3歳までは著明に低下していること、分泌型IgAが成人レベルに達するのは5~7歳ごろであることなどがこの時期の易感染性の原因であると考えられている[4]
 
病原体には季節性があるものとないものがある
  1. 感冒と鑑別するべき感染症の流行状況を把握しておくことは、感冒を診断するうえでも役立つ。流行している疾患は、感冒にみえても鑑別疾患にあげて検討するべきである。
  1. 感染症の発生動向は国立感染症研究所のホームページから閲覧できる[5]。かつては季節ごとに流行する感染症が決まっていたが、最近は予定通りの流行状況になっていない。参考までに、いくつかの発生動向について記載する。
  1. インフルエンザは、冬に流行するのが通常であるが、COVID-19の感染対策が徹底された2021-2022年シーズンには流行せず、2023年は夏ごろから流行がみられた[6]
 
インフルエンザの発生動向

出典

国立感染症研究所.感染症発生動向調査週報 第25巻、第49号,2023. https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2023/idwr2023-49.pdf (2023年12月アクセス)
 
  1. 咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)は、夏にやや多く年間通してみられる感染症であったが、2023年シーズンは、かつてない大流行となった[6]
 
咽頭結膜炎の発生動向

出典

国立感染症研究所.感染症発生動向調査週報 第25巻、第49号,2023. https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2023/idwr2023-49.pdf (2023年12月アクセス)
 
  1. 溶連菌性咽頭炎は、冬と春に流行があるが、年間通じてみられる。
  1. 手足口病やヘルパンギーナは夏に流行するのが通常で、「夏風邪」と呼ばれる。COVID-19流行初期にはほとんどみられなかった。
  1. 突発性発疹は、発症率に季節による変動はみられない。
  1. RSウイルスは、北半球では10月ごろから流行し1~2月にピークをむかえる季節的な流行パターンをとっており、日本もかつてはそうであった。しかし、近年は夏から秋にかけて流行する。このように流行期が劇的に変化することがあることは驚きである。なぜ、RSウイルスが夏に流行するようになったのかはわからない[6]
 
RSウイルス感染症の発生動向

出典

国立感染症研究所.感染症発生動向調査週報 第25巻、第49号,2023. https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2023/idwr2023-49.pdf (2023年12月アクセス)
 
  1. ヒトメタニューモウイルスは、通常RSウイルスに遅れて冬から春にかけて流行するのが通常であるが、2023年は夏に流行した[7]
 
ヒトメタニューモウイルスの分離・検出報告数

出典

国立感染症研究所.IASR速報グラフウイルスその他.ヒトメタニューモウイルス.https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data99j.pdf (2023年12月アクセス)
 
細菌感染の合併に注意
  1. 感冒に合併する細菌感染症で抗菌薬の適応があるものは、急性中耳炎、急性細菌性副鼻腔炎、急性肺炎などである。これらを見逃さずに診断するためには、「感冒の自然経過」を知っておく必要がある。どのような症状がいつから始まって、どのタイミングでピークになり、いつ終わるのかという臨床経過についての知識(illness scriptという)を知ることが重要である。感冒症状をきたす疾患の臨床経過を筆者の経験に基づき図に記載する。このような臨床経過にあわないときには、感冒の診断が間違っているか、感冒に合併した細菌感染症を検討するべきである。感冒そのものの合併症ではないが、乳児は感冒をひいている間にも、尿路感染症を合併することもあるので、全身倦怠感が感冒にしては強いときなどは注意が必要である。
  1. 以下に典型的な感冒の種類とその経過を示す。
 
鼻かぜ(急性上気道炎)の典型的な経過

  1. 発熱が5日以上続くときはインフルエンザやヒトメタニューモウイルス
  1. 鼻汁咳嗽が非常に強い場合はRSウイルスやヒトメタニューモウイルス
  1. 鼻汁が乏しいが咳がひどい場合は、マイコプラズマ
 

出典

著者提供
 
のど風邪(急性咽頭炎)の典型的な経過

  1. 頭痛・倦怠感が強いときはCOVD-19
  1. 咽頭痛が強く、軟口蓋に所見があるものは溶連菌
  1. 2~3日目以降も頭痛が強い場合は感冒以外を考える

出典

著者提供
 
アデノウイルス扁桃炎の典型的な経過

  1. 咽頭痛、結膜炎は必発ではない
  1. 高熱のわりに元気なことが多い
 

出典

著者提供
 
クループ症候群(急性咽頭炎)の典型的な経過

  1. 熱は1-2日で治まる
  1. 犬吠様咳嗽と入れ替わるように悪化し長引く
  1. 夜間に悪化する特徴的な咳

出典

著者提供
 
感冒のように見える要注意疾患に注意
  1. 感冒と鑑別すべき疾患を以下に示す。ポイントは、「鼻汁や咳嗽がないものを感冒と安易に診断しない」ことである。感冒かなと思っても、確信が持てないときは、数日後に再診させて感冒に矛盾しない経過であるかを確認する。
 
発熱と3つの主要な気道症状から考える感冒の鑑別診断

出典

著者提供
 
問診(病歴聴取)のポイント  
  1. 流行状況が重要である。前述の週報のほかに、保健所が地域ごとに発表しているサーベイランスも公の情報源として重要である。外来診療を続けていると、それぞれの保育所や小学校など集団生活の場で何が流行しているか自然に耳に入るようになる。流行していない(事前確率が高くない)疾患を検査するときには、偽陽性のリスクが高くなるので注意が必要である(原則行わない)。きょうだいや親など同居家族で流行している場合は、潜伏期間を考慮に入れて、臨床症状が矛盾しなければ、検査せずに臨床診断することもありえる。臨床的に問題になることが多い病原体の潜伏期間を以下に記す。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
児玉和彦 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:渡辺博 : 特に申告事項無し[2025年]

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感冒(急性上気道炎・鼻副鼻腔炎)(小児科)

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