今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 正宗淳 東北大学 消化器内科

監修: 下瀬川徹 みやぎ県南中核病院企業団

著者校正/監修レビュー済:2024/08/21
参考ガイドライン:
  1. 日本消化器病学会:慢性膵炎診療ガイドライン2021(改訂第3版)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 前回から新たなガイドラインは発表されていない(追加のエビデンスもなし)。
  1. レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. 膵外分泌機能不全における問診のポイントとして悪臭のある放屁、検査所見としては血中リパーゼ低値もみられる。
  1. 病期について、発症前の時期としていわれていた「早期」は、現在「潜在期」と呼ばれている。
  1. 膵炎関連遺伝子検査が保険収載された。
  1. 脂肪便や体重減少を有する膵外分泌機能不全に対しては、高力価膵消化酵素薬を十分量投与しながら、脂肪を制限しない食事摂取を指導する。
  1. 断酒に至るステップとしては、節酒の機会を与えることも検討する。
  1. 患者指導用アプリ「慢性膵炎の話をしよう。」の新たなリンク先を紹介した(https://play.google.com/store/apps/details?id=net.doctorinfo.pdfscroller.pancreatitis2)。

概要・推奨   

  1. アルコール性慢性膵炎の治療に断酒指導を行う(推奨度1、OJ)
  1. 慢性膵炎の治療に病期を考慮した栄養療法を行う(推奨度1、OJ)
  1. 慢性膵炎の疼痛治療に非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が無効な場合は弱オピオイドを使用する(推奨度2 RJG)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 慢性膵炎とは、遺伝的や環境要因その他の危険因子を有し、実質への傷害やストレスに対して持続的な病的反応を生じる個人に起きる、膵臓の病的線維化炎症症候群である。
  1. 膵臓の内部に不規則な線維化、細胞浸潤、実質の脱落、肉芽組織などの慢性変化が生じ、進行すると膵外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である。多くは非可逆性である。
  1. 診断は臨床診断基準に基づいて行う。
  1. 慢性膵炎臨床診断基準2019:表<図表>
  1. 慢性膵炎の特徴的画像所見:表<図表>
  1. 慢性膵炎の組織像:図<図表>
  1. この診断基準では、特徴的な画像所見ならびに組織所見として、確診所見と準確診所見が設けられており、いずれかが認められる場合、慢性膵炎確診または準確診の診断が下せる。
  1. 慢性膵炎診断の手順(アルゴリズム)の準確診所見のみの場合でも、③反復する上腹部痛または背部痛、④血中/尿中膵酵素値の異常、⑤膵外分泌障害、――の3項目中2項目以上が認められる場合には診断を確診に格上げできる。確診、準確診所見を認めないが、③反復する上腹部痛または背部痛、④血中/尿中膵酵素値の異常、⑤膵外分泌障害、⑥1日60g以上(純エタノール換算)の持続する飲酒歴または膵炎関連遺伝子異常、⑦急性膵炎の既往――のいずれか3項目以上と超音波内視鏡またはMRCP、ERCPにて早期慢性膵炎の画像所見が認められた場合、早期慢性膵炎と診断する。アルゴリズム
  1. 成因により、アルコール性と非アルコール性(特発性、遺伝性など)に分類される。アルコール性が成因の約2/3を占め最も多い。
  1. 自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は、病態の可逆性の観点から慢性膵炎として取り扱われない。
  1. まれな成因である遺伝性膵炎は、厚生労働省の難病ならびに小児慢性特定疾病に指定されており、要件を満たした場合に医療費助成の対象となっている。申請し認定されると医療費の自己負担分の一部が公費負担として助成される。
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
  1. 2016年受療患者を対象とした全国調査によると、年間推計受療患者数は56,520人である。有病率としては人口10万人あたり44.5人、新規発症(発病)率は11.6人、患者の平均年齢は約62歳であった。
  1. 男女比は4.8:1と男性に多い。特にアルコール性に限ると男女比は10:1となる。
  1. 女性は男性に比べて、より少ない累積飲酒量で、より若年でアルコール性慢性膵炎を発症するという性差もみられる。
問診・診察のポイント  
  1. 腹痛や背部痛の出現時期、性状、食事との関連を確認する。典型例では、食後、特に脂肪分の多い食事をとった後や飲酒後に症状が出現する。症状は仰臥位で悪化し、前屈位で軽減する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
正宗淳 : 講演料(ヴィアトリス製薬(株))[2024年]
監修:下瀬川徹 : 特に申告事項無し[2024年]

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