今日の臨床サポート

構音障害

著者: 二藤隆春 東京大学 耳鼻咽喉科・聴覚音声外科

監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院

著者校正/監修レビュー済:2016/06/10
患者向け説明資料

概要・推奨   

症状のポイント:
  1. 構音障害とは、口唇、舌、軟口蓋などの形態的・機能的障害により、ことばが誤って生成される状態のことである。
  1. 話す機能は障害されているが、言語の理解が正常である点が とは異なる。
 
緊急時対応:
  1. 急性発症した場合やほかの神経症状を合併している場合は、脳卒中や脳炎など致命的疾患の鑑別を最優先に行う。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
二藤隆春 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:森山寛 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 構音とは、口唇や舌、軟口蓋などの構音器官の形態を変えることにより、喉頭で生成された音声(喉頭原音)を母音や子音などのはなしことば(言語音)として変換する動作のことであり、構音器官の形態的・機能的異常により、発される言語音が誤っている状態を構音障害と呼ぶ。
  1. 語音の歪み、置換、省略などをもって聴取される。
  1. 話す機能は障害されているが、言語の理解が正常である点が  失語症 とは異なる。
  1. 構音障害は原因により、器質的構音障害、運動障害性構音障害(dysarthriaディサースリア)、機能性構音障害に分類される。
  1. 器質的構音障害とは構音器官の形態異常に起因する構音障害であり、小児では口唇口蓋裂、舌小帯短縮症などの先天奇形(<図表><図表> <図表>)、成人では口腔・咽頭癌の切除・再建後<図表>に多く認められる。
  1. 運動障害性構音障害とは構音に関係する運動支配神経の中枢、核、末梢神経の疾患に基づく構音器官の麻痺や不随意運動によって生じる構音障害である。原因として、脳血管障害( 脳出血 、 脳梗塞 )が圧倒的に多く、その他変性疾患( パーキンソン病 、 筋萎縮性側索硬化症 、 多系統萎縮症 )<図表>、頭部外傷、下位脳神経麻痺<図表> <図表>、炎症性疾患、脳腫瘍、中毒、代謝障害などでみられる。(※実際には、運動障害性構音障害では純粋な構音のみならず、ストレス、イントネーション、リズムなどのプロソディーの異常も含めて考えることが一般的である) 鑑別疾患 
  1. 機能性構音障害とは構音器官に形態異常や運動障害がなく、構音獲得の遅れや誤った習慣によって起こる構音障害であり、ほとんどが小児期に発症する。 解説 
問診・診察のポイント  
  1. 構音障害の原因が明らかであるかどうかで問診の流れが異なる。口蓋裂や頭頚部癌の術後など局所の器質的異常が明らかである場合や、すでに診断が下されている全身疾患に起因する場合は、発音しにくい音や同一器官を用いる嚥下の様子、それまでの治療経過などを聴取する。器質的異常を指摘されていない小児の発達期の構音障害では、構音以外の発達歴や家庭の言語環境なども確認する。原因が明らかでない場合は、脳卒中や脳炎など致命的な疾患である可能性があるため、発症時期や発症様式の確認が重要である。失語や頭痛、四肢の運動障害、体幹失調、嚥下障害などほかの神経症状の有無も聴取する(参照: 脳出血 、 脳梗塞 )。失語との鑑別は氏名や住所、物品呼称などの質問からある程度可能である(参照: 失語症 )。

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