今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石田禎夫 日本赤十字社医療センター 血液内科

監修: 宮﨑泰司 長崎大学病院血液内科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/31
参考ガイドライン:
  1. NCCN:NCCN ガイドライン Ver 1. 2025-September 13, 2024
  1. mSMART:mSMART ガイドライン v10 April 2023
  1. 日本血液学会:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年度版
  1. 日本骨髄腫学会:多発性骨髄腫の診療指針2024 第6版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、『NCCN ガイドライン』『mSMART ガイドライン』『造血器腫瘍診療ガイドライン』『多発性骨髄腫の診療指針』の内容をレビューしたが、当コンテンツの内容においては変更なし。

概要・推奨   

  1. 自家末梢血幹細胞移植の適応のない症例ではダラザレックス、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾン療法(DVCD)が推奨される(推奨度1)
  1. 自家末梢血幹細胞移植は適応とリスクに応じたメルファランの減量を考慮し実施することが推奨される(推奨度1)
  1. 高度の心機能低下例は、自家移植の適応となりにくい(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患(疫学・病態)のまとめ  
アミロイドーシスの概要:
  1. アミロイドーシスとは、ある臓器にアミロイドが沈着し何らかの症状を呈した状態のことである。
  1. アミロイドーシスは、全身性のアミロイドーシスと、限局性のアミロイドーシスに分類される。全身性アミロイドーシスの代表的なものとしては、免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)、続発性/反応性のアミロイドーシス(AAアミロイドーシス)、透析アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP) 、老人性全身性アミロイドーシス (SSA) などがある。一方、限局性アミロイドーシスとしては、アルツハイマー病、脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病などの脳アミロイドーシスが代表的である。
  1. 全身性アミロイドーシスのうち、ALアミロイドーシス(骨髄腫に合併するALアミロイドーシスは適応外)、FAP、SSAは指定難病であり、アミロイドーシスの重症度分類で2度以上の場合などは申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年1月施行)
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
免疫グロブリン性アミロイドーシス:
  1. 原発性アミロイドーシスとは、モノクローナルな免疫グロブリン軽鎖(いわゆるベンスジョーンズ蛋白)が臓器に沈着しアミロイド変性する疾患であり、原発性ALアミロイドーシスとも呼ばれる。ALはAmyloid-Light chainの略である。
  1. アミロイドの原因物質は免疫グロブリン軽鎖以外にも30種類以上あるが、ALアミロイドーシスが最も頻度が多い。
  1. アミロイドが沈着する臓器は多彩であり、症例ごとに異なり、また病状の進行とともに増えることもある。
  1. 心臓アミロイドーシスは最も予後不良である。
  1. 年齢は中年以降に多い。
 
免疫グロブリン性アミロイドーシスの臨床像:
  1. 腎障害(ネフローゼ症候群、腎不全)
  1. アミロイドが腎臓に沈着するとネフローゼ症候群や腎不全となる。
  1. 心不全、不整脈
  1. 心臓沈着例は心不全、不整脈を起こす。不整脈はときに致死的である。
  1. 皮膚色素沈着、巨舌、出血傾向、下痢、便秘
  1. 皮膚に赤色のアミロイド斑を認めたり、舌が腫れてくることもある。紫斑や口腔内出血など出血傾向を認めることもある。消化管の機能異常を認めることもあるが、便秘、下痢のどちらもあり得る。
問診・診察のポイント  
  1. 本疾患の診断は、疑うことからしか始まらないことを理解すべきである。その結果、診断が遅れることが多い。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石田禎夫 : 未申告[2024年]
監修:宮﨑泰司 : 未申告[2024年]

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免疫グロブリン性アミロイドーシス

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